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グルメ・クッキング

久々の男二人飯

仕事の後、久しぶりに師匠と食事に行った。コロナ禍が始まって以来、家族以外と外食をするのは初めてだ。

師匠と初めて会ったのは今から四半世紀ほど前のこと。実際に一緒に仕事をしたのは半年ほどだったけれど、その仕事に向き合う姿勢、背中をみて、僕が心の中で勝手に師匠と呼んでいる。師匠は現役を引退されたけれど、今でも仕事に対する姿勢、気持ちは揺るぎない。やっぱり師匠だ、と改めて思う。

師匠には、食事の楽しみも教えていただいた。半年の間に何回一緒に食事に行っただろう。フレンチ、寿司が多かった。今回も師匠のチョイスで赤坂のフレンチ「かえりやま」。

席について、まず師匠が選んだのはティタンジェ。冷たく爽やかな炭酸とやわらかなシャンパンの香りが昼の暑さを洗い流してくれる。

料理はおまかせ。

ミニトマトの杏酒づけとブルーチーズの詰まった小さなシュー
リエットのバケット添え
スモークサーモンと野菜のサラダ仕立て
ズッキーニとポーチドエッグをカルボナーラ風のソース
鯛のパイ包み焼き
仙台牛のソテー

どれも目を奪うプレゼンテーション。色合いが鮮やかで、食べてみると、それぞれの素材に存在感があり、そこにいる理由を主張している。一品一品、語ろうと思えば語れてしまうけれど、それは野暮というもの。やはりその場で感じた空気、味は、一期一会なものだろう。

これほど楽しく食事をしていたら、昔だったら食前酒をのんで、二人でボトル2本あけて、食後酒までいっていたと思う。けれど、今は二人とも、とてもそうはいかない。鯛のパイ包み焼きまでティタンジェがいい仕事をしてくれた。メインの仙台牛ではグラスワインのカベルネをいただいた。アルコールはそれで十分。

その後、デザートの盛り合わせに追加オーダーで、コーヒージュレのカプチーノ仕立てアイスクリーム添えをいただいた。

料理の話、仕事の話、昔話、尽きることのないリラックスした時間。改めて明日から頑張ろうと思えた夜だった。

帰り際にシェフにお声がけいただいたことも嬉しかった。

 

出会いと別れ

初めて出会ったのはいつのことだろうか。 

 

あの、9.11のテロからまもない2001年12月、僕たちはニューヨークのマンハッタンで生活を始めた。 

 

だから、2001年の年末か、遅くても2002年の前半だったのだろうと思う。 

 

だれも知っている人のない異国の地で、親子3人の生活が始まった。わらをもつかむ気持ちでかき集めた、渡米前の情報に、スターバックスがある場所は比較的治安がいいらしい、というウワサがあった。だから、当時、街角でスタバを見つけるたびにホッとしていた。 

 

どこのスターバックスだったのだろう。僕たちが生活を始めたBroadwayの100丁目あたりにも一軒あった、職場近くのMadison street、96丁目、いや、Midtownだったかもしれない。いやいや、ジョンFケネディ空港だったのかもしれない。 

 

店内にはシナモンの香りが立ち上っていて、僕は自然にHot Tal LateとCinnamon Rallを頼んでいた。それがスターバックスのCinnamon Rallとの最初の出会いだった。以来、Hot Tall Late + Cinnamon Roll が僕のお決まりのメニューになった。 

 

外側はやや乾き目だけど、ロールの間のシナモンのフィリングは甘く強く香る。ふわふわと軽い感じではなく、ギュッと濃縮した味をモチッとした食感と共に楽しめる。その骨太の食感を砂糖のアイシングがしっかりと支える。この甘味とシナモンの香りが口の中でいっぱいに広がると、いかにも「アメリカ」って感じがした。当然の如く、サイズもアメリカン。食べ切った後の満足感に疑念の余地はない。僕にとってリアルに嬉しい異国体験のひとつだった。 

 

日本に帰国したとき、一番嬉しかったことの一つは、スタバのシナモンロールがアメリカと同じサイズで売られていたことだった。

 

ニューヨークで一番食べたのはベーグルだった。でも日本で売っているベーグルはニューヨークのそれとは全く別物だった。日本のベーグルもおいしいとは思うけれど、ニューヨークで食べてたベーグルはもっとずっと野暮で無骨だった。口の悪いドイツ人の同僚が「岩を食べてるみたいだ」と言ったくらいだから。それが懐かしく思えたりするんだな。今となっては。

 

でも、スタバのシナモンロールはニューヨークで僕が食べていたのと同じだった。だから僕はスタバに行くと、ほとんど必ずホットラテ、トールサイズとシナモンロールを食べてきた。帰国したのが2005年からだから、もう15年食べてきた。僕にとってあの頃の気持ちを思い返す大切な時間だった。

 

それが、ついに、来るべき時がきてしまった。Cinnamonn Rallとの別れ。 

 

先日スタバに行ったら、シナモンロールがリニューアルされていた。日本サイズに。 

 

思わず二度見している僕を見て、店員さんは「お好きですか?おいしいですよねー。」とにこやかに対応してくれたが、僕の心のうちは乱れまくっていた。正直なところ、Cinnamon Rallそのものに自分がこれほど感情移入していたとは思わなかった。 

 

注文し食べてみると、予想通り、おいしくなっている。日本風に。香りも甘味も上品に、そしてもちもちした食感もしっかりと味わえる。シナモンロールの良さがきっちりと主張されている。でも、もう、僕にとってのCinnamon Rallではなくなっていた。 

 

僕は、今後もノスタルジックな感情が刺激されることを期待して、スタバのシナモンロールを食べるだろう。でも、そこで期待するものはこれまでとは少し違ったものになる。これからはCinnamon Rallそのものへのノスタルジーを感じることになるのだろう。 

 

一人ラーメン 胃もたれの夜

20歳のころ、あんまり食べるから、周囲からは「満腹マシーン」とか呼ばれていた。胃もたれ、なんていう言葉の意味がわからない、と思っていたくらいだ。蕎麦屋に行って、カツ丼→ざるそば→カツ丼、を一人で食べていた。
当時の僕は、今より20kg以上太っていた。でも、あれから30年、ダイエットして、食事はだいぶ細くなったと感じている。いいことだと思うのだが、時々、ほっぺたいっぱい、はらいっぱい、の興奮を味わいたくなる。
その日の僕は、ちょっとそんな気分だった。
時間があいたので、寄り道をして、横浜家系某有名店を初体験することにした。
平日夜9時半頃だったが、店の外に20人程は並んでいた。食券を先に買って並ぶシステムだ。購入したのは大盛りラーメン、味普通、脂普通の麺固め。お腹が空いていると、習慣的に大盛りを頼んでしまう。野菜100円を頼もうと思ったけれど、大盛りラーメンが930円で、小銭を持ってなかったので諦めた。野菜よりも大盛りの誘惑に負けてしまった。
あらためて列の最後尾に並ぶ。長く待つのかな、、、と思ったけれど、列の進みは結構はやい。店先の当番をしているらしいお兄さんが手際良く10人くらいずつまとめて店内に案内している。その昔、恵比寿にあった名店では、長蛇の列の客からメモも取らずに注文をとるお兄さんがいて、全く間違えずに注文した品が供されるのでとても驚いたのを思い出した。
店は外から見ると広そうには見えないが、店の奥行きがかなりあって、意外に多くの客が入れるようだ。そして厨房がこれまた広く、5−6人の威勢のいいお兄さんたちが忙しそうに働いていた。この回転の良さがラーメンのいいところ、と思いながら待っていた。20分ほど並んだだろうか。店内に通された。
食券を先に買ってあるからだろう。
予想よりも早く着丼。待ってましたとテンションが上がる。
予想よりも濃い黄土色のスープ。味も匂いも力強い。
予想よりもちょっと細くて短い平打ち麺。負けていない。
重厚なストレートパンチが胃を直撃する。かなりお腹が空いていたので、僕の胃袋は真正面からこれを受け止めた。周囲を見ると、ラーメーンだけでなく、ご飯とか野菜とか頼んでいる人が多い。それも納得できる。油の量はやや多いが、好みだろう。
海苔はスープに溶け込むようなタイプではなかった。私は海苔だ!としっかり主張する。今回、ご飯は頼んでいないけれど、この海苔でご飯を包んで食べたら、スープの味が絡んで、まぁ、美味しいだろう。ラーメンがおかずと化す瞬間だ。
チャーシューは柔らかく、脂身の少ない肉でしっかりと肉の繊維を感じたが、主張は少ない気がした。スープ、のり、ほうれん草、麺がそれぞれ主張する中、やや地味な印象だが、逆にこの静かな感じがいいのかもしれない。
どんぶりの残りが半分弱となってきたころ、ストレートパンチの連打に僕の胃袋が疲れを見せ始めた。机の上には、おろしにんにく、ニンニクチップ、ごま、ショウガ、酢などが置いてある。どれを使って味をかえようかなぁ、、、。まわりを見渡すと、これらに手をつける人は予想以上に少なかった。みんな若いねぇ、、、、。そんな人たちと張り合う余力は、僕の胃袋に残されていなかった。
前半戦はがっつりいったけれど、今の僕の体力では、このラーメンの力強さに最後まで立ち向かうことは難しいと感じた。大盛りを頼んでしまったからかもしれない。でも、お酢を少々たすと、味がさっぱりして、後半戦も楽しみながら食することができた。
その夜の胃もたれは、食べたラーメンがハードパンチャーであったことを改めて実感させるものだった。
手強い相手だったので、しばらく行かないと思うけれど、そのうちにまた行きたいと思うだろう。そういうインパクトのあるラーメンだった。次回は普通盛り、脂少なめ、味薄めでいいな。それにご飯、野菜を頼もうか。
あらためて思うけれど、この僕が、、普通盛り、油少なめ、味薄めを頼もうと考えるなんて、我ながら歳をとったものだと思う。
でもまだ食い意地が張っているのだから元気な証拠だと、自分に言いきかせている。

ミョウガ好き

毎年実家の庭で取れるミョウガを送ってもらうので、浅漬けを作るのが僕の中での年中行事のようになっています。「ミョウガLOVE」というほどではありませんが、自分がミョウガ好きであることを、最近認識するようになりました。

ミョウガの浅漬けについては、過去にも、このブログ上で数回記事に書いています。実家から送られてくる食べ物について、他はほとんど書いていないのに、ミョウガだけ書いているのは僕がミョウガlover だからなのだと思います。
まぁ、そうは言っても、それほどのこだわりがあるわけではないので、料理は簡単です。千切りにしたミョウガと鰹節を醤油、お酢であえるだけです。冷蔵庫で保存すればしばらく楽しめます。バルサミコ酢を使ってみたり、干しエビを入れてみたりとちょっとずつ毎年違いますが、それを「その年の味」として楽しんでいます。
今年は干しエビを少量混ぜて、「馬路村のぽん酢醤油」を使って和えました。ほんのりとした果実味が爽やかで良いと思っています。それが青い器の方。ご飯と混ぜておにぎりにしてみようかな、と思っています。
また、今年は初めて豆苗を少量加えてオリーブオイルで炒めてみました。醤油で味付けしただけですが、ミョウガの香りが柔らかくなり、これはこれでなかなか美味しくできました。ツナ缶、大葉とあわせて和風パスタもいいかな、、、。


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定番

スターバックスの一号店が銀座にオープンしたのは僕が築地で基礎研究をやっている頃でした。当時はメニューだけでなく、飲み物を選び、サイズを指定する販売システムや、店内が全面禁煙だったことなど、なにもかも目新しく感じたものでした。話題になったこともあり、待ち合わせなどには重宝して使っていた覚えがあります。アメリカのおしゃれなコーヒーチェーン店、そんなイメージでした。当時はふつうにホットコーヒーを頼んでいたように思います。

特に意識したのは数年して、アメリカ同時多発テロの直後に留学が決まった時のことでした。留学先はニューヨークのイーストハーレムの近くにあるMt.Sinai医科大学というところ。
物騒なのではないかとビビる僕たちに、アメリカ帰りの友人が教えてくれました。「スターバックスが出店しているところは安全だよ。」今から考えれば嘘か本当かわからないけど、渡米直後の僕は、藁にもすがる気持ちです。スターバックスを見るたびに心が休まる気持ちがしたものでした。
留学中、いつのころからか、僕はスターバックスでトールラテを頼むようになっていました。
はっきりとしたきっかけや理由は覚えていないのですが、留学中に親しくなった、Cさん、Dさんというイタリア人のご夫婦や、ドイツ人留学生のMさんなどからの影響があったのかと思います。
Cさん、Dさんは、彼らはイタリアのカプチーノが一番美味しいコーヒーだと言っていました。まぁ、彼らがそう言うのは当たり前のことかもしれません。彼らによれば、アメリカのコーヒーは色のついた泥水みたいで全然美味しくないのだそうです。かろうじて飲めるのはスターバックスのラテくらいだとのことでした。そんなDさんにはエスプレッソコーヒーの淹れ方を伝授していただきました。また、ドイツ人留学生のMさんは、コーヒーにはフォームミルクを入れるのが絶対に美味しいのだと言っていました。
というわけで、僕はいつもトールラテを飲むようになりました。一緒に何か頼むとすれば必ずシナモンロールでした。特にエピソードは思い浮ばないので、単純にシナモン味が好きで頼んでいたように思います。
僕の「スタバ定番メニュー」はこうしてできあがりました。
あれからもう、20年近くの月日が経ちますが、未だに僕にとってはスタバはほっとする場所であり続けています。「初心」というわけではありませんが、当時の心持ちを思い出す場所でもあります。だから、頼むメニューは自然とホットトールラテ+シナモンロールになってしまいます。
新しい、美味しそうなメニューも沢山あるけれど、定番メニューが変わることは多分ないだろうなぁ。

ミョウガの浅漬

 大変ご無沙汰しています。「忙しい」を言い訳に、最近、ブログ記事アップが滞っています。今日は写真とともにブログをアップすることにしました。

 毎年秋に母から送られてきたミョウガの浅漬けを作っていて、毎年このブログに載せています。このブログで、僕は写真を載せないで言葉で表現することを基本としています。自分の文章力を磨くことを目的としてこのブログを書いていたので、写真で手間を省くことをしたくなかったのです。

 そのつもりだったのですが、ミョウガの浅漬けに関する記事だけは例外の扱いになっています。特に何か理由があった記憶はないのですが、過去にも写真とともに掲載してきました。

 百聞は一見に如かずと言いますが、写真があると説明が少なくて済む気がして、楽ですね。過去の写真を改めて見てみると、おそらく写真でなくては気付かない部分もあります。

 毎年、ハムを混ぜたりジャコだったり干しエビだったり、バルサミコ酢を使ったり、いろいろやってきました。これらは間違いなく言葉で語れます。

 今年はこれまでになくらい多くの鰹節を使いましたが、味をシンプルにする目的で他の具材は使いませんでした。あとは醤油とお酢だけ。お酢がちょっと多かったかな。

 そのせいかもしれませんが、今年は色が他の年よりやや薄い気がします。これは写真でしかわからないところですね。

 味も見た目同様、さっぱりとして風味の強いさわやかな仕上がりとなりました。この色合いには今まであまり注目したことはなかったので、今回写真を比べて初めて気付きました。

 全てを言葉で表現することには限界があり、意識しないところでも違いがあるのだということは、考えてみれば当たり前です。でも、だからこそ言語化されたものには、意識するとしないに関わらず、筆者の解釈、メッセージが込められるのだと改めて思いました。

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不恰好なハート

週末の土曜日。年に10回程度の頻度で群馬県の病院にお世話になっている。上信越道沿いなので、車で行くことも可能だけれど、早朝一人のロングドライブは退屈だし、そのお相手にと睡魔がやってくる可能性もあるので電車で通勤している。

 

新幹線で東京から高崎まで行き、そこから単線のローカル線に乗り換える。ローカル線に乗っているのは一時間ほど。時間は多少かかるけど、なかなか味のある小旅行だと思っている。ただ、新幹線は本数が多いけれど、ローカル線は本数が少ない。一時間に2本ほど。だから、たいていの場合、高崎駅ではコーヒーなんかを飲みながら時間をつぶすことになる。余裕があれば朝食をとることもある。

 

冬の間、家を出るときはまだ真っ暗だ。でも、そんな早朝でも、週末をスキーやスノーボードで楽しむ人たちで朝の上越新幹線はとても混雑する。朝から立ちっぱなしは避けたいと思い、少し早く家をでた僕は、幸いにして自分の座る席を見つけることができた。そしていつもより10分ほど早く高崎駅についた。

 

いつもよりちょっとゆっくりできそうだ。次の電車までまだ大分時間がある。

 

スターバックスに入った僕は、朝食をとることにした。トールラテとシナモンロール。スタバのシナモンロールは自分の米国留学時代を思い出させてくれるアイテムの一つだ。ワンパターンだけれど、決まってこれを頼んでしまう。

 

スターバックスの店員さんは、どちらかといえば女の子が多いと思うけれど、この日この店では若い男の子が3人働いていた。

 

「お?男子率があがったね。」

 

「一生懸命働いてる男の子の店員さんってのも、爽やかで、なかなかいいねぇ、、、」

 

なんてオヤジ心満載で彼らの働きぶりを見ていた。

 

コーヒーをいれてくれた彼もまた一生懸命だ。背中からオーラが出ている。マグカップにフォームミルクを注ぐ顔つきも真剣。

 

出てきたラテの上にはハートが描かれていた。

 

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ラテアートなんで全然できない僕が言うのもおこがましいが、ミルクフォームのハートはやや不恰好だ。だが、不恰好なだけに、逆に一生懸命さが伝わってくる。応援したくなる。そして、こういう一生懸命さに触れると自分もやる気が湧いてくる。

 

僕も、まわりの人にエネルギーを供給できるようになりたいと思う。改めて頑張って仕事をしたいと思った。

 

思ったはいいが、明日は日曜日だった。

素人的高崎ラーメン探訪

いつもの群馬出張の帰り、高崎駅から数分歩いて「遠征」してみました。いつもほとんど直帰している僕にとっては未知のエリアです。

訪れたのは「なかじゅう亭」。ここは九席しかない小さなお店。ご主人一人が丁寧な仕事しておられます。

お品書きには赤城鶏を強火で煮詰め、白濁させたと書いてあります。このごま油はちょっとピリ辛。塩味にしようかと思ったけれど、メニューのオススメは醤油だったので、まずはそれに従いました。

出てきたラーメンスープは、本当に真っ白。コラーゲン感たっぷりで、さもありなんと思わせます。スープはごま油が少々浮いていて、その香りが鼻をくすぐります。

ただでさえ白濁したスープに沈みそうなのに、上に山盛りのネギが載せられているので、具材がしっかり確認できるのは卵だけ。ネギを除けて確認すると、予想通り、お肉は、チャーシューではなく鶏でした。予想を「メンマ」。随分と線維っぽい「メンマ」だなぁと思ったら、ゴボウでした。これがなかなかスープと良い相性。

細〜い麺は、鶏のスープとよく絡んで相性◎。何しろスープが美味しいです。

替え玉もあるとのことでしたが、ライスをいただいて、残ったスープに投入し、雑炊風にして完食いたしました。

明日のお肌はちょっとスベスベかしらん。

高崎駅からちょっと歩きますが、また来たいと思いました。





ミョウガの浅漬け 2014

この季節になると、実家の庭でとれるミョウガで毎年浅漬けをつくっています。

基本は刻んだミョウガとカツオ節。これにお酢、醤油で浅漬けにします。量、割合は適当。その日、その場にある分量でつくっています。

もらってくるミョウガの量が多いため、往々にして何かが足りないことも多くあります。その場合には、その夜、台所でたまたま居合わせた調味料、食材にも適宜ご登場いただいて、その年ならではの浅漬けが出来上がります。

昨年はジャコと昆布の薄切りにご参加願いました。酢醤油として、お土産でずっと使われずにいたポン酢醤油を使うこともありますし、お酢にバルサミコ酢をつかったり、醤油にニンニンク醤油を使ったこともあります。

味はそれぞれですが、ミョウガ、カツオ節、お酢、醤油の四つの存在をちゃんと確認できるなら、大体美味しくいただける浅漬けになります。

さて、今年の台所、あさってみると、イイものが見つかりました。乾燥桜エビ。これとカツオ節にミョウガの露払いと太刀持ちをまかせることにしましょう。

醤油がちょっとたりません。でもイイものが見つかりました。そばつゆの素。カツオ風味が強調されていいでしょう。

お酢が全然ありません。でもイイものが見つかりました。寿司酢。かなりあまーい感じになりますが、これもまた一興。

ミョウガを千切りにして、それぞれをたんまり加え、よーく混ぜてタッパーに。数日間寝かせて出来上がりました。

結構甘いのですが、ミョウガの香りと歯ごたえのおかげでダレダレになる手前で踏みとどまっています。噛みしめるとエビの風味もほっぺたの奥に広がってなかなかイイ感じ。

毎年自画自賛するものだから、もはや誰も褒めてくれません。でもいいんだもんね。

酒のつまみ以外にも、熱いご飯のお供、冷たいうどんの薬味にも使えそうで、今年もしばらく楽しめそうです。

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素人的比較和歌山ラーメン体験事始

学会で和歌山に行ってきました。

和歌山と言えば、、、

紀州徳川家のお膝元、高野山金剛峰寺、世界遺産の熊野古道、エルトゥールル号救出の舞台となった串本、南紀白浜、クジラ、みかん、うめ、パンダ、、、などなどなど、、、

イロイロ見所があろうと言うものですが、そのほぼすべてを見ることなく行って、学会に出て、帰って参りました。とほほ、、、。

でも、食べてきました。和歌山ラーメン。3軒だけですが、今日はその素人的感想をば。

一軒目は和歌山についた当日、同僚と一杯やったあと、1人でシメの一杯を食べにいきました。和歌山の夜は早いです。ラーメン屋さんも日付が変わる前に営業終了のお店が沢山あります。営業時間を確かめ、まず、訪れたのは、「アロチ本家 中華そば 丸高」。

iPhoneをナビにして、ホテルから10分ほど歩いてお店の前へ。おぉ、昭和の雰囲気漂う店構えです。「孤独のグルメごっこ」ができそう。

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黄色に朱の文字で「中華そば」。同様の外観のお店を何軒も見かけました。和歌山ラーメン定番のスタイルのようです。僕にとっては黄色の看板と言えば千駄ヶ谷のホープ軒です。当然のことながら、和歌山のラーメンはそれとは全く別物でしたが。

引き戸をひいて店に入ります。店に入って右手が厨房。左手は壁に向かって座るカウンター。廊下みたいにして歩いていくと、厨房の奥にスペースがあって、テーブル席がいくつか並んでいます。僕はカウンターの一番奥側に案内されました。

メニューを見ます。やっぱり、中華そばがメインみたいだな。おっ、チャーシューメンもあるぞ。前に札幌に行ったときもチャーシューメン中心でみそラーメンを食べてまわったし、それにしてみるか。

ラーメン以外に餃子、おでんもあるんだね。

「ラーメン屋におでんかぁ。レベル高いなぁ、、、」

もう、独りよがりの孤独のグルメ状態です。

客が座るところには寿司が数本積まれています。「早ずし」という、鯖の押し寿司で、和歌山の特産品のようです。お店の人に聞いてみると、とって食べてイイとのこと。あとから自己申告で生産するシステムのようです。1本100円。

甘酸っぱいお寿司を食べながら、メニューを眺めていて気がつきました。キムチラーメンなんてのもあるようです。普通のラーメンは「中華そば」と表示されています。チャーシューが入るとチャーシューメン、キムチが入るとキムチラーメンになるのかしら?「そば」と「ラーメン」の使い分けはどうなっているんだろう??なんて意味もない事を考えていたらチャーシューメンが出てきました。

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クラシックな店構えにふさわしい、昭和な感じの外観のラーメンです。小ぶりで薄切りの豚ばらチャーシューはちょっと少ないかな、、、と思いましたが、スープに沈んでました。そして、真ん中にはナルトがレトロな雰囲気をかもしだします。そしてそのワキを支えるのがシナチクと青々としたネギのみじん切り。ちょっと驚いたのは最初からコショウが振りかけられていたことでした。かけて出てきたのははじめてです。お店から「出来上がりです。このままどうぞ。」と言われているような気がしました。

食べてみると、わりあい醤油の味が前面に出ている豚骨のスープに、やや細めの麺がよくからみます。驚きは、早寿司と、このスープの相性がなかなか良く感じたことです。舌の両端とほっぺたの奥に残っている甘酸っぱい早寿司の味を感じつつ、しょうゆ味の豚骨スープが舌の真ん中辺りを中心にひき立ちます。

さっぱりといただくことができました。

翌日は朝から晩まで学会に出席。夕方、僕の脳ミソは疲労困ぱい。頭はラーメンを欲しています。明らかに。その状態のまま、懇親会や、学会メーリングリストのオフ会みたいなミーティングに参加しました。そしてその後、同僚とラーメンを食べに行きました。

目指すは井出商店。Wikipediaによれば『1998年元日に放映されたTVチャンピオン「日本一うまいラーメン決定戦」で、かのラーメン王、石神秀幸が和歌山市の井出商店を推薦、全国の並み居る強豪店を押さえて優勝した。』というお店だそうです。

前日と同様、やはり黄色の看板です。昭和の雰囲気満載の、孤独のグルメむきな外観。この雰囲気も和歌山ラーメンの1つなのかもしれません。店内のポスターにはこう書いてありました。

『昭和28年、屋台から始まった「井出商店」。偶然にも炊き込みすぎてしまったスープにコクがあり、これが原点。今もこの味を守り続け、丼には店主の魂が込められています。』

店にはトンコツの独特の匂いが充満しています。九州のラーメン屋さんみたい。そのくらい煮込んだスープを使っていると言うことでしょう。

メニューを見ると、中華そば、特製中華そば、それぞれの大盛りと四種のみ。潔さがイイですねぇ。お寿司は終わってしまってもうないとのこと。ちょっと残念。まぁ、閉店前ですからね。特製中華そばをいただくことにしました。

ほどなく出てきた「中華そば」の外観はある意味、想定の範囲内です。昭和な雰囲気。でも、しっかりとした個性も、そこにはありました。

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透明な油がうき、一部茶色く濁った半透明のスープに薄切りの豚バラチャーシューが所狭しとならべられています。その隙間から顔を出そうとする麺を花形のカマボコとメンマ、刻みネギが覆いかくしています。

味はと言えば、店内の匂いから想像したような荒々しさはありません。けれど、その力強さはまぎれもないものです。直球のトンコツをしょうゆ味が支えている感じ。ベタつくこともなく、細めのストレート麺に良くあって、大変美味しく食べられました。

往生際の悪い僕は、最後の最後、和歌山駅でも、帰りの電車待ちの間にラーメン、いや、中華そばを食べてきました。駅地下にあったのは、「中華そば 丸美商店」。今回訪れた中では最も「普通」のお店でした。まず、看板が普通です。黄色に赤字の看板ではありません。店内も小綺麗だし、入り口も普通。いわゆる駅地下のラーメン屋さんという感じです。(別に悪い意味ではありません。前の2店と比較して、と言うことです。)

でも、中に入ってメニューを見てみると、そこはそこ、やっぱり和歌山ラーメンらしさは継承されています。メニューは基本的に中華そばと特製中華そば、その大盛りのみ。(メニューの裏を見ると、つけ麺もあるようです。)そして、お約束の早寿司とゆで卵が机上にでんッと鎮座ましましています。 注文したのはやっぱり特製中華そば。

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出てきたラーメンで「おっ?」と思ったのは、今回、はじめてレンゲが添えられていたこと。レンゲを使わないのも和歌山ラーメンなのかと思いましたが、たぶん、そんなことはないのでしょうね。

スープは茶色がかったトンコツ醤油で、チョット甘め。味的には横浜の家系ラーメンに近い印象です。もうちょっと醤油の主張が強いかな。麺は中細位のストレート。そしてナルト。やや薄切りのチャーシュー。このチャーシューは三店舗の中では肉の存在感を一番主張してました。さらに青ネギ。もはや定番の組み合わせです。そして、早寿司を一緒に食べれば和歌山ラーメンらしさ全開です。「ご当地ラーメンかくあるべし」なんて気がしてきます。

丸美商店のラーメンは、前2軒で僕が勝手にイメージした和歌山ラーメンらしさをスマートに体現した、バランスのいい「中華そば」だと思いました。

麺、スープのみならず、ナルト、シナチク、ネギ、チャーシューなどに加え、早寿司、(今回は試せなかった)ゆで卵など、全てあわせたコンビネーションが和歌山ラーメンらしさのかな、という感想を持ちながら、帰りの特急くろしおに乗り込んだのでした。

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