学会で和歌山に行ってきました。
和歌山と言えば、、、
紀州徳川家のお膝元、高野山金剛峰寺、世界遺産の熊野古道、エルトゥールル号救出の舞台となった串本、南紀白浜、クジラ、みかん、うめ、パンダ、、、などなどなど、、、
イロイロ見所があろうと言うものですが、そのほぼすべてを見ることなく行って、学会に出て、帰って参りました。とほほ、、、。
でも、食べてきました。和歌山ラーメン。3軒だけですが、今日はその素人的感想をば。
一軒目は和歌山についた当日、同僚と一杯やったあと、1人でシメの一杯を食べにいきました。和歌山の夜は早いです。ラーメン屋さんも日付が変わる前に営業終了のお店が沢山あります。営業時間を確かめ、まず、訪れたのは、「アロチ本家 中華そば 丸高」。
iPhoneをナビにして、ホテルから10分ほど歩いてお店の前へ。おぉ、昭和の雰囲気漂う店構えです。「孤独のグルメごっこ」ができそう。
黄色に朱の文字で「中華そば」。同様の外観のお店を何軒も見かけました。和歌山ラーメン定番のスタイルのようです。僕にとっては黄色の看板と言えば千駄ヶ谷のホープ軒です。当然のことながら、和歌山のラーメンはそれとは全く別物でしたが。
引き戸をひいて店に入ります。店に入って右手が厨房。左手は壁に向かって座るカウンター。廊下みたいにして歩いていくと、厨房の奥にスペースがあって、テーブル席がいくつか並んでいます。僕はカウンターの一番奥側に案内されました。
メニューを見ます。やっぱり、中華そばがメインみたいだな。おっ、チャーシューメンもあるぞ。前に札幌に行ったときもチャーシューメン中心でみそラーメンを食べてまわったし、それにしてみるか。
ラーメン以外に餃子、おでんもあるんだね。
「ラーメン屋におでんかぁ。レベル高いなぁ、、、」
もう、独りよがりの孤独のグルメ状態です。
客が座るところには寿司が数本積まれています。「早ずし」という、鯖の押し寿司で、和歌山の特産品のようです。お店の人に聞いてみると、とって食べてイイとのこと。あとから自己申告で生産するシステムのようです。1本100円。
甘酸っぱいお寿司を食べながら、メニューを眺めていて気がつきました。キムチラーメンなんてのもあるようです。普通のラーメンは「中華そば」と表示されています。チャーシューが入るとチャーシューメン、キムチが入るとキムチラーメンになるのかしら?「そば」と「ラーメン」の使い分けはどうなっているんだろう??なんて意味もない事を考えていたらチャーシューメンが出てきました。
クラシックな店構えにふさわしい、昭和な感じの外観のラーメンです。小ぶりで薄切りの豚ばらチャーシューはちょっと少ないかな、、、と思いましたが、スープに沈んでました。そして、真ん中にはナルトがレトロな雰囲気をかもしだします。そしてそのワキを支えるのがシナチクと青々としたネギのみじん切り。ちょっと驚いたのは最初からコショウが振りかけられていたことでした。かけて出てきたのははじめてです。お店から「出来上がりです。このままどうぞ。」と言われているような気がしました。
食べてみると、わりあい醤油の味が前面に出ている豚骨のスープに、やや細めの麺がよくからみます。驚きは、早寿司と、このスープの相性がなかなか良く感じたことです。舌の両端とほっぺたの奥に残っている甘酸っぱい早寿司の味を感じつつ、しょうゆ味の豚骨スープが舌の真ん中辺りを中心にひき立ちます。
さっぱりといただくことができました。
翌日は朝から晩まで学会に出席。夕方、僕の脳ミソは疲労困ぱい。頭はラーメンを欲しています。明らかに。その状態のまま、懇親会や、学会メーリングリストのオフ会みたいなミーティングに参加しました。そしてその後、同僚とラーメンを食べに行きました。
目指すは井出商店。Wikipediaによれば『1998年元日に放映されたTVチャンピオン「日本一うまいラーメン決定戦」で、かのラーメン王、石神秀幸が和歌山市の井出商店を推薦、全国の並み居る強豪店を押さえて優勝した。』というお店だそうです。
前日と同様、やはり黄色の看板です。昭和の雰囲気満載の、孤独のグルメむきな外観。この雰囲気も和歌山ラーメンの1つなのかもしれません。店内のポスターにはこう書いてありました。
『昭和28年、屋台から始まった「井出商店」。偶然にも炊き込みすぎてしまったスープにコクがあり、これが原点。今もこの味を守り続け、丼には店主の魂が込められています。』
店にはトンコツの独特の匂いが充満しています。九州のラーメン屋さんみたい。そのくらい煮込んだスープを使っていると言うことでしょう。
メニューを見ると、中華そば、特製中華そば、それぞれの大盛りと四種のみ。潔さがイイですねぇ。お寿司は終わってしまってもうないとのこと。ちょっと残念。まぁ、閉店前ですからね。特製中華そばをいただくことにしました。
ほどなく出てきた「中華そば」の外観はある意味、想定の範囲内です。昭和な雰囲気。でも、しっかりとした個性も、そこにはありました。
透明な油がうき、一部茶色く濁った半透明のスープに薄切りの豚バラチャーシューが所狭しとならべられています。その隙間から顔を出そうとする麺を花形のカマボコとメンマ、刻みネギが覆いかくしています。
味はと言えば、店内の匂いから想像したような荒々しさはありません。けれど、その力強さはまぎれもないものです。直球のトンコツをしょうゆ味が支えている感じ。ベタつくこともなく、細めのストレート麺に良くあって、大変美味しく食べられました。
往生際の悪い僕は、最後の最後、和歌山駅でも、帰りの電車待ちの間にラーメン、いや、中華そばを食べてきました。駅地下にあったのは、「中華そば 丸美商店」。今回訪れた中では最も「普通」のお店でした。まず、看板が普通です。黄色に赤字の看板ではありません。店内も小綺麗だし、入り口も普通。いわゆる駅地下のラーメン屋さんという感じです。(別に悪い意味ではありません。前の2店と比較して、と言うことです。)
でも、中に入ってメニューを見てみると、そこはそこ、やっぱり和歌山ラーメンらしさは継承されています。メニューは基本的に中華そばと特製中華そば、その大盛りのみ。(メニューの裏を見ると、つけ麺もあるようです。)そして、お約束の早寿司とゆで卵が机上にでんッと鎮座ましましています。 注文したのはやっぱり特製中華そば。
出てきたラーメンで「おっ?」と思ったのは、今回、はじめてレンゲが添えられていたこと。レンゲを使わないのも和歌山ラーメンなのかと思いましたが、たぶん、そんなことはないのでしょうね。
スープは茶色がかったトンコツ醤油で、チョット甘め。味的には横浜の家系ラーメンに近い印象です。もうちょっと醤油の主張が強いかな。麺は中細位のストレート。そしてナルト。やや薄切りのチャーシュー。このチャーシューは三店舗の中では肉の存在感を一番主張してました。さらに青ネギ。もはや定番の組み合わせです。そして、早寿司を一緒に食べれば和歌山ラーメンらしさ全開です。「ご当地ラーメンかくあるべし」なんて気がしてきます。
丸美商店のラーメンは、前2軒で僕が勝手にイメージした和歌山ラーメンらしさをスマートに体現した、バランスのいい「中華そば」だと思いました。
麺、スープのみならず、ナルト、シナチク、ネギ、チャーシューなどに加え、早寿司、(今回は試せなかった)ゆで卵など、全てあわせたコンビネーションが和歌山ラーメンらしさのかな、という感想を持ちながら、帰りの特急くろしおに乗り込んだのでした。
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