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海の見える病院

 今年は正月から大きな地震があったので、10年ほど前に読んで印象深かった「海の見える病院」を、本棚から引っ張り出してきて再読しました。
 2011年3月11日、東日本大震災の日、宮城県石巻市の市立雄勝病院は大津波に襲われました。本書によれば、院内には40人の入院患者と28人の職員がいたと考えられていますが、助かったのはたったの4人。そこで犠牲になった職員、その家族を丁寧におったドキュメントです。
 震災当日の出来事は壮絶です。そして、生き延びた方々、亡くなった職員と家族のストーリーなどが語られることで、災害がよりリアルなものとして感じられます。様々な状況があり、生き延びた人も、その場にいなかった人も皆、それぞれの思いがあることを理解したつもりです。何がいちばん正しいのか、どうすべきだったのか。本当にわからない。そう思います。
 そうした中、最後まで患者さんと寄り添った職員の方々の行動には、同じ医療の職にあるものとして、襟を正される思いです。
 今回の能登半島地震でも多くのストーリーがあったのだろうと思いました。
 改めて、自分のできることと防災について考えることを、日々、少しずつでもやっていきたいと思いました。

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