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ソーシャルジャスティス 小児精神科医、社会を診る

「ソーシャルジャスティス 小児精神科医、社会を診る (文春新書)」を読みました。
 帯には著者の肩書きが大きく書かれています。
「ハーバード大学准教授」
「脳科学者」
「3児の母」
そしてその下には「SNSの炎上、社会の分断への処方箋」と書かれています。本の表紙の写真もなかなかインパクトがあります。
 読み終わって、「意見をしっかり持って発信していくことを自然にすることができる、強いお人だ」と、思いました。
 本の中には参考になる話がたくさん出てきましたが、自分への「外的評価」と「内的評価」のバランスが大切である、という話が一番印象に残りました。
 アスリートはメダルや順位などの結果や、メディアからの評価など、外的評価を求められます。一方で、自分自身に対する内的評価は外的評価のみによって高まるものではありません。外的評価と内的評価のアンバランスに悩む若いアスリートがいるのだそうです。
 外的評価も大切だけれども、それによってブレることのない内的評価をしっかりと確立しておくことが大切なのだと思いました。
 普段から自分を磨く努力を続けていきたいと思います。

読書「奏鳴曲」

 北里柴三郎と森鴎外の二人がかすかに触れ合いながら、互いの道を歩んでいく。二人をライバルとみたてて紡ぎ出されるストーリー。
 とにかく熱い北里と、蝶のようにひらひらと華麗に舞うことを願う森。
 自分のなかでは、北里がベルリンに留学している13歳下の荒木寅三郎に贈った言葉が印象的で、自分の仕事への向き合い方について考えさせられた。
 曰く「世の中は行き詰まらぬ。行き詰まるのは本人に熱と誠がないからだ。熱と誠があれば何事も成就する。」
 熱と誠で頑張っていきたいと思う。
 そして、本書で描かれている医学的事項の中心は感染症。感染症との戦いは当時から存在していた。
 何しろ北里柴三郎は血清療法の可能性を世界で初めて示した人で、数々の業績から「日本の細菌学の父」とも称される。ここでは正しかったことだけでなく、失敗だったエピソードも描かれる。
 また、当時の感染症対策の失敗などは、現代のコロナ政策への批判のようにも感じられる。でも、まてよ、同じことを繰り返していると言う点で、殆ど進歩していないのかもしれない、と思った。人類の進歩なんて、大自然の力からすれば、ほとんど取るに足らない程度の「進歩」なのだろう。

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