4月20日感染制御の日
令和2年4月20日、僕が勤めている病院で新型コロナウイルスの院内感染が判明しました。
当時は新型コロナウイルスのPCR検査も結果が出るのに数日を要し、COVID19という疾患の全体像も見えない中での戦いでした。大規模な院内感染は社会へのインパクトも大きく、注目を集める中、すべての職員が一丸となって正面から立ち向かいました。病院の信頼が大きく損なわれたと感じる一方で、多くの皆様方からの温かいご支援を得て、私たちは懸命に信頼回復に努めてきたつもりです。
同じようなことは二度と繰り返さない。
その思いを確固たるものとするため、僕たちのでは、4月20日を「感染制御の日」と制定しました。昨日はその2回目の追悼式と職員研修会が、多くの職員の参加を得て執り行われました。
新型コロナウイルスとの戦いは今なお続いています。私たちが、この戦いに勝利することはもとより、将来体験することになるかもしれない未知の感染症との戦いにもしっかりと立ち向かえるようにするためにも、この院内感染の経験を風化させてはなりません。
あの院内感染後、2回の春を迎え、多くの新入職員が新たな仲間として加わり、法人内での人事異動もありました。当時を経験していない職員が今後数多くを占めることになっていくと思います。そうした人材の新陳代謝を乗り越えて、過去の経験を病院の文化として残すことが、この院内感染で失われた御霊に報いる道と考えます。
遠い過去のようにも感じますが、わずか700日ほど前の出来事です。昨日はそうした思いを胸に刻んで共有する日になったと思います。
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