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弱者の戦略

弱者の戦略 (新潮選書) [ 稲垣栄洋 ]」を読みました。

 野生の世界、自然界は「弱肉強食」であると言われ、自然界では強いものが生き残ろイメージがあります。
 「食物連鎖」のピラミッドを見ると、より強いものが上位にあって、「強い」様に見えます。でも、ピラミッドの頂点に位置するはずのライオンをはじめとする動物たちは絶滅の危機に瀕していたりします。一匹一匹、各個体が「強い」かどうかと、種として成功できるか、ということは別のことである、ということはよく分かります。
 種の反映という見地からすれば、「弱者=敗者」ではありません。弱者でも成功者になりうることを本書は示しています。
 弱いように見える生き物たちも自然界では確かに生き残っています。ピラミッドに見られる通り、弱くても、ピラミッドの下に位置する「弱者」は、「強者」よりも圧倒的に多く生存していたりします。そして、本書では、後から考えれば理にかなった戦略がそこある様に見えるという、実例を数多く示されています。
 本書で書かれている通り、「生き物の世界は『歯を食いしばって頑張ればなんとかなる』といった甘い考えは通用しない」というのは多分真実で、本書では、多くの生物が、無謀な戦いを挑むことなく、巧妙な生き残り戦略をとっていることがわかります。
 そうなると、何が弱者なのかわからなくなります。少なくとも、ナンバーワンになれなくても、オンリーワンになれれば生き残る可能性が高くなりそうだ、と思いました。
漫画の名言
『ないものねだりしてるほどヒマじゃねえ
あるもんで最強の戦い方探ってくんだよ
一生な』
を思い出しました。

「弱者の戦略」を思い出した

最近、経営とか生き残り、、、みたいな話をよく聞くようになり、しばらく前に読んだ「弱者の戦略 (新潮選書) [ 稲垣栄洋 ]」と「人類進化700万年の物語 私たちだけがなぜ生き残れたのか [ チップ・ウォルター ] 」
を思い出しました。

弱者の戦略 (新潮選書) [ 稲垣栄洋 ]」には「生き物の世界は『歯を食いしばって頑張ればなんとかなる』といった甘い考えは通用しない」と、書かれていましたが、これは人間社会においてもその通りだと実感します。生き残るためには、無謀な戦いを挑むことなく、どのような戦略をとるのかを考えねばなりません。

生物一般で考えれば我々も地球上の生物の一員です。生物としての我々も、同じようにして生き延びてきた歴史があるそうです。「人類進化700万年の物語 私たちだけがなぜ生き残れたのか [ チップ・ウォルター ] 」によれば、地球上に進化してきた人類は27種に及ぶけれど、現生人類は一種類しかいないとされています。そして現生人類(=我々)は華奢型に分類される人類で、頑丈型に分類された人類は生き延びることができませんでした。(この本は、かなり歯ごたえがありましたが、とても興味深かったです。)

実は進化論を唱えたダーウィンも、「強いものが生き残るのではない。変化できるものが生き残るのだ。」といった内容の言葉を残していると聞いたことがあります。「変化できるもの」というところがミソだと思っています。状況に応じ、積極的に変わっていかなくてはいけないということなのでしょう。

色々なことに、受け身でなく前向きに対処していきたいと思います。

4月20日感染制御の日

 令和2年4月20日、僕が勤めている病院で新型コロナウイルスの院内感染が判明しました。
 当時は新型コロナウイルスのPCR検査も結果が出るのに数日を要し、COVID19という疾患の全体像も見えない中での戦いでした。大規模な院内感染は社会へのインパクトも大きく、注目を集める中、すべての職員が一丸となって正面から立ち向かいました。病院の信頼が大きく損なわれたと感じる一方で、多くの皆様方からの温かいご支援を得て、私たちは懸命に信頼回復に努めてきたつもりです。
 同じようなことは二度と繰り返さない。
 その思いを確固たるものとするため、僕たちのでは、4月20日を「感染制御の日」と制定しました。昨日はその2回目の追悼式と職員研修会が、多くの職員の参加を得て執り行われました。
 新型コロナウイルスとの戦いは今なお続いています。私たちが、この戦いに勝利することはもとより、将来体験することになるかもしれない未知の感染症との戦いにもしっかりと立ち向かえるようにするためにも、この院内感染の経験を風化させてはなりません。
 あの院内感染後、2回の春を迎え、多くの新入職員が新たな仲間として加わり、法人内での人事異動もありました。当時を経験していない職員が今後数多くを占めることになっていくと思います。そうした人材の新陳代謝を乗り越えて、過去の経験を病院の文化として残すことが、この院内感染で失われた御霊に報いる道と考えます。
 遠い過去のようにも感じますが、わずか700日ほど前の出来事です。昨日はそうした思いを胸に刻んで共有する日になったと思います。

4月になってはや2週間

 4月から、今いる病院の副院長を拝命いたしました。同時に色々な仕事が増え、未だに1週間のスケジュール感がつかめません。

 スケジュールを十分把握できていないまま、忙しい1日を過ごすと、倍ぐらい疲れる感じです。だから、この2週間はもう、あっという間でした。

 振り返ってみると、今の病院にきて3年経ちますが、コロナ禍ということもあり、これもあっという間でした。

 医者になってからは31年の月日が経ちましたが、ここはさすがにあっという間というよりは、今までよくやってきたなぁ、という感じです。なんと言っても、自分の年齢を考えたとき、医者になる前よりも、なってからの方が長い時間を生きてきたことになるのですから、それなりに長い時間と言って良いと思います。

 この間、日本経済のバブルが弾け、インターネットが普及して情報革命がおき、iPhoneが登場し世の中が変容していく中、地下鉄サリン事件や、9.11のテロがあり、東日本大震災がおこり、今は新型コロナウイルス感染症の、いつ明けるとも知れないパンデミックのなかにあります。こんな時代は想像しようもありませんでした。

 でも、希望もあります。2020年に始まったコロナ禍では多くの力強い励ましを多方面からいただきました。僕たちには、そのお気持ちに応え、信頼される病院を作り上げる責務があると思います。

 僕の好きな言葉に、こんなものがあります。

「富士山に登ろうと心に決めた人だけが
富士山に登ったんです。
散歩のついでに登った人はひとりもいませんよ」
「浮浪雲」(ジョージ秋山)

 15年くらい前に、米国で肝移植手術をやっているF先生から教えていただきました。

 これから、信頼していただける病院になることを心に決めて、微力をつくして参りたいと思います。

 今後ともよろしくお願いいたします。

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