_

関連

無料ブログはココログ

« チェックインにご用心。JFK国際空港にて | トップページ | 素人的ニューヨーク再訪記 その2 »

素人的ニューヨーク再訪記 その1

2013年11月、ワシントンでの学会参加ののち、僕たちはNew York CityのJohn F. Kennedy国際空港におりたった。

2001年から2005年にかけて3年8ヶ月にわたり、僕たちはマンハッタンで暮らしていた。この間、最初は3人だった家族が4人に増えた。5歳で帰国した息子にはうっすらと記憶があるようだけれど、娘は殆ど覚えていないようだ。そりゃそうだ。僕たちが帰国したとき彼女はまだ2歳だった。

今や子供たちも成長し、少しずつ自分の世界を形成しつつある。家族4人で当時を振り返る旅ができるのは、これが最後かもしれない。そうい思いから、学会参加ともう一つの仕事の用事を口実に、家族全員での渡米をし、マンハッタンに寄り道することに決めた。

僕たちは数十時間という短い時間で過去を再体験したいと考えていた。

JFK国際空港からイエローキャブでマンハッタンに向かう。当時はほとんどが巨大なアメ車(フォードのクラウン・ヴィクトリア)だったけれど、車種が随分と増え、日本車のイエローキャブも多く見られた。新車も多い。一方で、システムそのものは変わりない。渋滞もあいかわらず。荒い運転も相変わらず。醸し出されてくる空気感は変わっていなかった。

そこから八年間の空白を埋めるかのような、慌ただしいニューヨーク再訪が始まった。

宿泊したのは、Hotel Beacon。場所はアッパーウエスト地区、ブロードウェイの75丁目。地下鉄の72丁目駅のすぐ近く。ミッドタウンやロウワーマンハッタンには地下鉄で行ける。急行も止まるので、LocalとかExpressとか考えなくていいのがいい。しかも、アッパーイースト地区とはバスでつながっている。東西の移動も楽だ。

隣のBeacon theaterではニューヨーク・ジャズ・フェスティバルで、初めてWynton Marsalisを聴いた。2002年の夏だったと思う。伝統を大切にし、計算されつくしたツヤのあるアンサンブルが印象的だった。

Hotel Beaconの近くにはスーパーマーケットが数多くある。目の前にFairway Market、Citallela(シタレラ)。目の前のFairway Marketはニューヨークで人気のスーパー。新鮮な果物がいつも店頭に並んでいる。隣のCitallelaは高級食材店。以前、ドイツ人のFLくんがサンクスギビングのホームパーティで彼のハーレムの自宅に招待してくれた時、ここで買った鹿肉をステーキにして出してくれた。

もうちょっと北の80丁目にはZabar’s(ゼイバーズ)。僕たちが足しげく通ったのはこのZabar’s。ここは映画「ユー・ガット・メール」にも出てくる。僕たちは最初から決めていた。滞在中のホテルの部屋での食事はここで調達するのだ。チェックイン後、休む間も無くZabar'sへと向かった。

Zabar’sでは一階が食材売り場、二階がキッチン用品の売り場となっている。コーヒーメーカーのChemex(ケメックス)を知り、購入したのはここの二階だった。

知らないおじいさんに
「オマエはコーヒードリンカーか?だったらこれが良いぞ。オレはこれを30年使っているが、とても使いやすい。一度だけ落としたら割れてしまって買い替えたがね。」
とか言われて購入した。ケメックスは今でも使っている。朝のコーヒーを入れる必須アイテムだ。

一階では美味しい食材が手に入る。 Zabar'sブランドのコーヒーも美味しい(と思う)。お土産に買って帰りたいものの一つだ。他に当時よく購入していた記憶があるのはベーグル、クロワッサン、ジャム、コーヒー、ソーセージ、サーモン、チーズ、オリーブ、クリームチーズスプレッド、ハマス(豆をゆがいてペースト状にしたものに、ゴマのペーストやオリーブオイルなどを混ぜたペースト。ピタなどに塗って食べたり、ディップに使う。)などなどなど。

僕が留学していた研究室のボスは研究室のミーティングでは毎回ベーグルを買ってきてくれた。みんなで食べながら研究ミーティングが行われるのだが、特別な日にはZabar’sで購入した食べ物がテーブルに並んだ。
「美味しい!」
と声をあげる僕たちを見て、ボスは
「これがREAL FOODだ。」
と自慢げにうなずいていた。


なつかしのZabar'sに入る。レイアウトも店の雰囲気も以前と一緒だ。入ってすぐのところには、様々なオリーブの量り売りのコーナー。そしてその右側にはフレッシュチーズの量り売り。

それらの香りが渾然一体となって独特の空気を醸成する。店に入ったとたん、子供が叫んだ。
「この匂い覚えてる!」
そうそう、この匂いですよ。パブロフの犬よろしく、唾液が口の中に溢れ出る。

嬉しくて嬉しくて、店の中を何回もウロウロとまわってしまう。

結局、オリーブ、ベーグル、クロワッサン、クリームチーズスプレッド、ジャム、ピーナッツバター(甘くないもの。これとジャムを一緒に塗って食べると、とっても美味しい)、コーシェのソーセージ(コーシェとは、ユダヤ教の人達が食べる宗教的手続きを経たものなのだけれど、食べれば普通のソーセージ。ただ、僕たちの好みのソーセージを作るメーカーがそうだった。)、ブルーコーンのトルティーヤチップス、オレンジジュースなどを購入した。

もっと長居したかったが、あまりのんびりしている余裕はない。この後、以前からの友人FL君の自宅を訪問する事になっているのだ。FL君について書いた記事はこちら

彼はかつてハーレム地区に住んでいたけれど、今はブルックリン地区にすんでいる。自宅住所とそこまでの行き方はメールで教えてもらった。地下鉄を乗り継いで最寄り駅へ。そこはかつてポーランド人が多くすんでいたところらしい。意味不明の看板をちらほらと目にする。その多くはポーランド語だとのことだった。

ここで彼の家にたどり着くのにはiPhoneが大活躍した。自分の位置情報と地図をリアルタイムで見ることができるのは大変ありがたい。比較的すんなり住所の建物に行き着いた。インターホンを押すのにはちょっと緊張したけれど、スピーカーの向こうからは

「Hey, Hey, Hey, Nice to come here!」

という懐かしい声が聞こえてきた。モニタもないのに僕だって確認しなくていいのかい?でも、待っててくれたってことだね。ありがたい。

FL君はドイツ人だが、ジャマイカ人のLさんと結婚した。二年ほど前に二人で東京に来た時には西麻布の権八に行って楽しい時をすごした。そして昨年、二人の間に新しい家族が誕生した。会ってみると本当に二人の特徴を備えた女の子。ようやく歩き出したところらしく、とても活発。高級外車と同じ名前で日本人からするとなんともゴージャスだ。彼女は不意の外国人訪問に少し驚いた様子だったが、そこは生まれながらのニューヨーカー。人種の違いなど、全く気にならないようだった。

赤ちゃんと奥様に別れを告げ、FL君は僕たちを食事に連れて行ってくれた。ここがまた、不思議な店だった。FL君は地中海料理のような説明をしてくれた。YelpをみるとFrench bistroとなっている。Fadaと言う名のレストラン。

http://www.yelp.com/biz/fada-brooklyn

入り口から入ると、レストランは薄暗く、入ってすぐのところがダンスホールになっている。その周りにテーブルが配され、三々五々、男女が立ち上がり、タンゴを踊っていた。

地中海?フレンチビストロ??

それ以前に、子供連れの僕たちが入っていんだろうか、、、、。そんなちょっと退廃的な、アンニュイな雰囲気。お店のお姉さんは何事もないかのように案内してくれる。僕たちは踊るカップルたちをよけながらダンスホールを抜けて、その奥に入っていった。奥はサンルームのようなガラス張りの屋根の開放的なテーブルスペースだった。たしかにここなら家族連れでも安心してくつろげる。

メニューにあったのはアンガスビーフのハンバーガーとか、ビーフタルタルステーキとか。さすがにSUSHIはなかったけれど、結構イロイロあったように思う。僕が食べたサーモンも美味しかった。

そんなおいしい食事に舌鼓を打ちながら、FL君と近況報告で旧交を温めた。数年前、FL君はサイエンティストから法律家に転身した。会社のHPには背広を着たカッコイイ写真付きで紹介されている。彼は最近スペインに別荘を購入したという。何とも華麗な転身だ。妻の横で話を聞きながらなんとなく肩身が狭い気がした。気のせいだといいのだが、、。

かなり流暢なドイツ語なまりの英語と、彼の知性と想像力に依存した片言の英語による楽しい会話はいつの間にか深夜近くになってしまい、子供達の疲れもピークに達しているようだった。

昔より安全になったとはいえここはNew York。もうろうとした子供達を連れての深夜の街歩きはなるべく避けたい。

FLに近くのカーサービスを教えてもらい、車でホテルまで戻ることにした。気がついたらFL君が料金まで支払ってくれていた。大変恐縮してその日を終えたのだった。

« チェックインにご用心。JFK国際空港にて | トップページ | 素人的ニューヨーク再訪記 その2 »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 素人的ニューヨーク再訪記 その1:

« チェックインにご用心。JFK国際空港にて | トップページ | 素人的ニューヨーク再訪記 その2 »