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医師負担軽減を目的としたメディカルコーディネーター採用説明会

3月に、4月からメディカルサポートセンター(MSC)という部署の副センター長という職を拝命することが急に決まりました。そのMSCで僕はメディカルコーディネーターとベッドコントロール担当をする事になりました。

昨日はその、メディカルコーディネーターの採用説明会でした。

メディカルコーディネーターというのは2年前、僕の働いている大学病院で設置された、新しい職種です。今回第7期の募集となります。

この職種は、もともと、医師の事務作業負担軽減を目的として導入されました。一般的な名称ではありません。

世の中では「スペシャル医療クラーク」という名称が、わりと広く通用しているようです。この用語を用いたマスコミ記事などもあるようです。スペシャル医療クラーク制度を導入し、成功している病院は、京都医療センターを始めいくつもあるようです。僕たちの病院のメディカルコーディネーターも、京都医療センターのスペシャル医療クラークを参考に立ち上げられました。ですからイメージはかなり近いものだと思います。

スペシャル医療クラークのイメージとしては医師が作成せねばならない種々の書類や医学用語がちりばめられた事務仕事、コンピューターへの入力を代行するというものです。この代行の質が良ければ、医師は書類を確認(してサイン)するだけで済みます。

多くの医師にとって、大変魅力的に感じるはずです。

病院での医師の事務仕事はカルテ入力に始まります。

僕はタイピング入力に抵抗が少ない(手書きの方がずっと遅い)ので、患者さんと話をしながらそれなりに情報入力ができます。

しかし、ひとに よってはキーボードを打ちながら話をしていくのは難しいことでしょう。すると、患者さんの方に目を向けることなく、キーボード、モニタとにらめっこしなが ら、しかも会話は途切れがち、、、という診療風景となってしまいます。

そんな時、患者さんとの問診の内容や診察所見を代行入力してくれる人がいれば、医師 はもっと患者さんに目を向けることができるようになります。

紹介状をもった患者さんを診療したときには、紹介元に経過報告書を作成します。けれど、他に多くの患者さんをお待たせしていることが多いので、通常は診療業務終了後に書類を作成する事になります。介護保険や様々な医療費助成の申請書、生命保険の書類も同様です。

診断書、紹介状、その返事、カルテのサマリなどの書類も意外に多くあります。今は電子カルテが主流になりましたが、それは、手書きがコンピュータ入力になっただけで、本質的な事務仕事の量が減ったわけでは必ずしもありません。

朝から始めて昼食もとらずに2時3時まで外来診療をし、その後何枚もの書類作成におわれるというのは実際なかなか大変です。

書類によって書式も、必要とされる情報も異なります。

この患者さんの住所は、、、、最後に受診したのは、、、認知症の進行具合は、、、右利きだったっけ、、、身長、体重は、、、、血液検査の項目の順番は、、、病院のと違うのかぁ、、、基準値(正常値)も書くわけね、、、診断されたときのデータと直近のデータは、、、、最後に行った画像検査の所見は、、、

(これらすべての情報が一つの書類で要求されたことはないですが、、、。)

定型的なもので、一枚5-10分で書き上げても10人もいれば簡単に1時間以上かかってしまいます。

これらの書類の下書きを、診療中にしておいていただけると大変助かります。

また、臨床研究をする場合の数値入力等も、仕事としては単純作業が延々と続くものです。

こう言った代行入力やデータベースへのデータ入力等は必ずしも「医師免許」の必要とされるものではありません。大切な医療情報で、専門性もありますから医師の確認は必要ですが。

多くの病院での「スペシャル医療クラーク」は、「クラーク」という名の通り、そういった特別な医療事務処理の代行を担うものとしてとらえられています。

確かにそのような事務仕事を高いクオリティで代行していただき、確認だけで済むようになれば、医師は本来業務により集中し、効率よく仕事することができるでしょう。

この領域の仕事は新しく、まだ確立されたものではないので、公的な資格はありません。また実際、医療機関により定義、仕事内容は微妙に異なることが多いと想像します。

ただ、どこの医療機関でも、共通するのは、この職種は、いわゆる「医療事務」とは異なる定義がなされています。いわゆる「事務」の方々と比較すれば、「もうちょっ と医師よりなんだけど、医師免許を持たずにできる仕事」そして「かゆいところに手が届く仕事」に焦点が当てられています。ただ、必要とされる仕事の具体的内容となると、診療科によって大きく異な ります。必要とされる知識、技能も当然変わってきます。

ですから、僕たちの病院では採用時の医学知識、医療事務経験等は全く求めていません。逆に「○○○という医療の経験を生かして×××という仕事で貢献したい」とお考えの方にはご遠慮願っています。

僕たちの病院では、現場が必要とするなら、単なる事務代行入力にとどまらず、広がりを持って仕事をしていただきたいという思いでメディカルコーディネーターという職名を冠することとしたと聞いています。

医師免許がなくても可能で、医師の仕事がしやすくなる仕事は代行入力のみにとどまりません。

患者さん、ご家族への病状説明のセッティングが望まれることもあるかもしれません。手術などが終わる頃を見計らってご家族の人数を確認し、場所を確保し、椅子を用意する。じつはこんなことも医師がやっていることがよくあります。

でも、それが準備されている、たったそれだけのことでも、随分楽になると思います。僕は外科医ではないので想像ですが。

そういった仕事の需要は診療科によって大きく異なります。

メディカルコーディネーターは各診療科に特有の需要に柔軟に答えながら、時には医師すら気づかぬようなちょっとした改善点を見出して、医師の働きやすい環境をともに実現していける人だと僕は、考えています。

これまで実際にメディカルコーディネーターを導入した診療科からは感謝の声も聞かれます。

僕の従事している消化器・肝臓内科でもメディカルコーディネーターが導入されてから仕事における事務負担はかなり軽減されたと思います。

僕は書類の下書きをしていただいたりすることが多いのですが、最近では紹介状の返事等、いくつかの書類の文面が僕のスタイルに合わせて下書きされています。

おそらくそれぞれの医師が持つ「くせ」「好み」を理解して、それに合わせて書式を変えてくれているものと想像します。 これにより、定型的な内容であっても、できあいの文章のコピーペーストよりずっと血の通った書類に仕上がります。

紹介状の返事を受け取る近隣の先生方とのやり取りがさらにスムーズに行われる事になれば素晴らしいですね。

そういった代行入力された文面が『こなれていく』だけで仕事ってとてもやりやすくなるんです。下書きにも進歩があります。それを目にするたび感謝する気持ちになります。

第七期メディカルコーディネーターは今回の説明会を経て、これから書類選考、面接による選抜の後、9月に仮採用、3ヶ月の研修を経て12月に本採用となる予定です。

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