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4.1981年頃からのターミナル・ケア ●進行がん患者に対する「がん告知」の評価1

 先にも述べたように、「がん告知のメリット」と「無告知のデメリット」とを経験した私は、「がんの告知」には積極的な姿勢をとるようになった。しかし、世間の一般的傾向は「がん告知」、特に「進行がんの告知」に対しては否定的であった。私は「がん告知」を支持する臨床データがほしいと思った。

 一人一人の患者さんについて、がん告知の影響や意義を評価することは容易ではない。同じ病名で同じ病期にある多くの患者さんを無作為にがん告知群と無告知群に分け、比較試験を行えば、ある程度の結論は出るかもしれないが、倫理的に不可能なことである。患者さんと主治医などサポートチームの違いにより、同じ内容の「がん告知」をしても正反対の結論となる可能性もある。

 告知を受けた患者さん自身が、そのことを満足しているか否かの評価が最も重要であると思われる。ここでは、がんの告知を受けた患者さんに対する主治医と家族の観察、告知を受けた後の患者さんの療養生活、およびごく最近に国立がんセンター中央病院婦人科種村健二朗先生の報告した告知を受けた患者さんに対するアンケートの結果を述べたい。

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