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チョコを食べると頭が良くなる?チョコを食べる国ほどノーベル賞をたくさんとっているというフシギ。

怪しい研究発表が世の中を騒がせていますが、、、

2012年10月10日、The New England Journal of Medicineという世界有数の臨床医学雑誌に、ある記事が掲載されました。

著者はDr. Franz H. Messerli。コロンビア大学の先生のようです。

題は「チョコレート消費、認知機能とノーベル賞受賞者たち」。

チョコレートの一人当たりの消費量と1000万人あたりのノーベル賞受賞者数に強い相関が見られるとするレポートです。元のページはこちら

結果の図では、縦軸が1000万人あたりのノーベル賞受賞者数、横軸が一人当たりのチョコレート消費量が示されています。

20121014chocolaenobel

大変な相関関係です。

スイスはチョコレートの消費もノーベル賞獲得数の双方で群を抜いています。スウェーデンは、比較的少ないチョコレート消費で、効率良くノーベル賞を獲得しています。ドイツは一生懸命チョコを食べているのにノーベル賞をあまり受賞できていません。

どうしてこんな研究をやろうと思ったのか、どのような経緯でこのような結果を得られたのか、、、、。

以下はこの『論文』のおおざっぱな拙訳です。文責は私にありますので、誤りがあればご指摘ください。

「チョコレート消費、認知機能とノーベル賞受賞者たち」

植物に由来する食べ物に豊富に含まれる食事性フラボノイドは認知機能を改善することが示されている。

特に、認知症のリスク低減、ある種の認知機能テスト成績の改善、軽度の知的障害を持つ高齢者の認知機能改善は、習慣的なフラボノイド摂取と関連づけられている。

フラボノルと呼ばれるフラボノイドの一種は、ココア、緑茶、赤ワインやある種の果物などに広く含まれており、加齢による認知機能の低下を遅らせたり、改善させたりするために効果的と考えられる。

食事性フラボノルは、血管内皮細胞の機能を改善したり、末梢血管や脳における血管拡張を引き起こすことにより血圧を低下させたりすることが示されている。

加齢を伴うWistar-Unileverラットではココア由来ポリフェノール抽出物を与えることで認知機能が改善することが報告されている。

仮説として、チョコレート消費が個人においてのみならず、人口全体の認知機能向上をもたらしうると考えられるため、私は、国レベルのチョコレート消費と国民の認知機能の間に関連があるのではないかと考えた。

一人当たりで比較して、国レベルのチョコレート消費とノーベル賞受賞者数に関係があるだろうか?

方法
ノーベル賞受賞者数は2011年10月10日までの全てのノーベル賞受賞者数を対象とした。そのリストにのっている各国のチョコレート消費量はいくつかのインターネットサイトから得た。

結果
総計23の国において、一人当たりのチョコレート消費量と1000万人あたりのノーベル賞受賞者数の間に統計的に有為で密接な相関関係が見られた。このなかでスウェーデンが最も効率よくノーベル賞を受賞していた。スイスはチョコレート消費とノーベル賞受賞の相関において最高の成績を上げている。

相関関係の傾きは一人当たり一年間で400gのチョコレート摂取を増やすことが、ノーベル賞受賞者数を一人増やすことに貢献している。

有効な最小摂取量は2kg前後にあると思われる。用量反応曲線からは年間11kgまでは効果に上限がないように見える。

考察
この研究によってえられた第一の結果は一人当たりのチョコレート摂取とノーベル賞受賞者数との間の驚くべき強い相関関係である。もちろん、XとYとの相関関係は因果関係を証明するものではない。しかし、以下のどれかであることを示している。

1)XがYに影響をあたえる
2)YがXに影響を与える
3)XとYがどちらも共通の根本的メカニズムによって影響を受けている

しかし、チョコレート摂取は認知機能の改善が報告されており、最も考えられるのは、チョコレートの摂取が、摂取量に応じて、ノーベル賞受賞者が生まれるのに必要な豊かな土壌(環境)を提供しているということである。この仮説は今後、更なる検討により明らかとしていく必要がある。

スウェーデンは並外れてよい成績を出していることから、スウェーデン人はチョコレートに対して鋭敏に反応する人種である可能性があり、この点でも検討が必要と思われる。

二番目の可能性としては、逆の因果関係が考えられる。

認知機能の向上が、国レベルでのチョコレート消費量増加に貢献しているという可能性である。これも考えねばならない。

ノーベル賞受賞者のようなすぐれた認知機能を持つものは、チョコレートの含まれるフラボノルの健康へのメリットの意識が高い可能性がある。ノーベル賞受賞そのものが国全体のチョコレート消費量を増やすことは考えにくいが、祝福行事などは一時的なチョコレート消費増量に寄与する可能性がある。

最後に三番目の可能性であるが、都合よく双方を誘導する共通の要因を同定するのは容易なことではない。各国の社会経済的状況、地理、気候などの要因はなんらかの役割を果たしている可能性がある。しかしこれらが、ここで観察されたような密接な相関関係を説明するには不十分である。

結論
チョコレート消費は、ノーベル賞受賞に必須とされる認知機能を増強し、各国のノーベル賞受賞者数と密接な関係がある。ここで観察された、チョコレート消費による認知機能改善の背後に潜むメカニズムを解明することが望まれる。

以上が大まかな内容です。もう、おわかりかもしれませんが、まともな『論文』ではありません。実際、雑誌の中でも、「Occasional Notes(臨時の覚え書き)」として紹介されています。

種明かしは、このリポートの途中で、Study Limitation (研究の限界)の項でなされています。

そこの部分の拙訳は以下の通りです。

今回のデータは国の平均値に基づいていて、ノーベル賞受賞者個人の過去、現在におけるチョコレートの摂取は不明である。

ストックホルムに呼ばれるためにオッズ比を十分に高くするために必要な累積チョコレート摂取量は不明である。

この研究結果は変化するものである。と言うのは、ノーベル賞受賞者の数とチョコレート消費量の両方が時間に依存する変数で、毎年変化するものだからである。

要するに、相関関係を解析するには全く値しない、ということです。

まぁ、現在の一年間のチョコレート消費量で、累積のノーベル賞受賞者数を解析しようとしたって、土台無理な話です。

数字の集め方、方法論などを無視してグラフだけ見ればそれらしく見えてしまいます。気をつけましょうね。というTongue-in-cheek report、冗談記事だったのでした。

ご丁寧にも、文末には

「Dr. Messerli は、そればっかりというわけではないけれど、主としてリンツ社のダークチョコレート各種を毎日習慣的に消費していると報告している。」

というコメントがのっています。

「くだらない。」

と、思うかもしれません。

でも、朝ご飯を食べると頭が良くなると、朝食を推奨しているのはどこの国でしたっけ?

あと、スイスとかドイツの人たちは年間10kg以上もチョコを食べるってホントかなぁ、、、。

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