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自分の米国留学の経緯における自己正当化をするとこんな感じだろうか、、、

最近、自分の希望が周囲とかみ合わない時、どう振る舞うかを考えさせられました。自分の経験ではその最も大きかったのが米国留学です。

なんで海外留学なんてことを考えたのか、最初がいつだったのかはよく覚えていません。

ただ、ずいぶん前から「海外留学」という言葉にあこがれを持っていたような気がします。

それは、単なる刷り込み現象だったのかもしれません。

父の話によれば、彼は、海外留学に憧れながら、そして何度かチャンスがありながら、結局それを逃してしまったのだそうです。

小さい頃からそんな話を何度も聞かされて育ちました。

学生時代、留学を念頭に英語の勉強をしている人達がいました。その人達の勉強会にちょっと参加させてもらったりもしました。このなかの複数の人達が海外留学を実現させました。中には米国で独立して研究室を持っている人もいます。

でも、怠け者の僕は、日々の怠惰な生活に溺れてゆきました。「可山優三」なんてあだ名もありましたっけ。

その後、なんとか(ギリギリで)医師国家試験に合格した頃、

「外国で仕事をする、、、、なんてことは夢のまた夢。まぁ、多分あり得ないだろう。」

と思っていたような気がします。

そんな僕でしたが、研修のために出張に出た病院は、過去に刷り込まれた深層心理を再び刺激してくれました。

師匠の先生は、Nature, Science, Hepatology, Annals of Internal Medicine, Radiologyなどの英文誌を自費で購読し、いつも持って歩いていました。行く先々に置き忘れたりもしていましたが、、、。

先輩研修医はフランス留学を夢見てフランス語の勉強をしていました。抄読会でフランス語の論文を読んだのを聞いたのは後にも先にもこの人しか見た事がありません。

僕も頑張ってThe New England Journal of Medicineを購入してみましたが、机の上の肥やしになってましたっけ。(だいたいNew Englandがアメリカにあることすら知らなかった、、、。)

この病院には、千葉、新潟、筑波、山形の各大学から若い医師が派遣されていました。当時、そういう病院はわりと珍しかったのではないかと思います。

新潟から来ていたDr.や、山形から来たDr.も留学を夢見ていました。その人達とは随分仲良くさせていただき、何にもわからないのに田舎の飲み屋で酔っぱらって留学の夢みたいのをウダウダと語り合いました。

そして仕事に興味を持てるようになってきた時、いつしか、

「機会があれば僕も、、、、」

と、まじめな気持ちでそう思うようになりました。

一方で、

「なんだかよくわかんないんですけど、留学したいんですよねぇ。」

なんて青臭いと言うか、愚かなことをエライ先生につぶやいて、延々と説教されたこともありました。2時間くらい。

しまいには

「そんな漠然としたものに憧れてどうすんだ、お前?何したいんだ?まぁ、オレは人の事なんか知らないけどな。勝手に行ったら。」

と放り出されましたが。

それでもやっぱりその思いを消すことができず、最終的に、そのお説教から5年くらいして渡米する事になります。

留学を受け入れてくれるというメールをニューヨークからもらったのが9月7日でした。その4日後にあの、9.11がおこります。

あきらめるわけにも行かず、喜び三分の一、不安三分の二、と言う感じで2001年12月に渡米したのでした。

そんなことも含め、自分としては、結構大変な思いをしました。家族にも迷惑をかけました。でも、自分の中で信念みたいなものと言うか、ずっと願い続けてどうしても消せない「火」みたいなものがあったので、どうしようもありませんでした。

みんなに感謝です。

ちなみに、フランス語を勉強していた先輩は後にフランス留学を実現させました。新潟から来ていた先輩も、ロサンゼルスに留学を実現させました。みんな心に「火」を持ち続けていたのだと思います。

留学や、帰国に際し現在の職場に就職することを認めていただいた当時の教授、医局には本当に感謝しています。

ただ、一部の人にはこの「火」を感じていただけなかったようです。この点は非常に残念です。

その方々からは自分勝手、我がまま、自己正当化と言われてしまうのかもしれません。

僕たちが所属しているような「医局」なんていう組織では、秩序が大切だと言う意見もあろうかと思います。

でも、皆が「同じ」で個人の希望が通らない組織では活力が失われてしまいそうです。全てではないにせよ、希望を通してもらえてこそ、組織へ還元したい、協力したいという気持ちも出てくるのだと思います。

心の中にともった「火」を消そうとせず、可能な範囲でサポートすること、そのために何が出来るかを話し合うことは、時間も労力も必要な作業です。けれど、組織の活力つながるものだと思っています。

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