手作りの国際学会 1
イタリアはフィレンツェで開催された小さな国際学会に参加してきました。
学会はInternational Society of Oncolgy and BioMarkers (ISOBM) という名前で今年で39回目だそうです。
参加人数は(奥さんなどの同伴者を含めて)200人ほどでしょうか。
僕の親分が学会の評議員をしているので、ほぼ毎年演題を出しています。
初めて参加した時が、2006年カリフォルニア、その後、2007年プラハ、2008年東京、2009年アムステルダム(不参加)、2010年ミュンヘンときて、今年がフィレンツェです。
参加するたびに思うのですが、とても手作り感漂う学会です。良く言えばアットホーム。
別な言い方をすれば、irregular な事のおこる頻度が高いとも言えます。
僕たちの関係者でも、会場となるホテルの部屋が確保できていなかったり、発表演題がプログラムから漏れていたり、、、なんてことが過去にありました。
東京でやったときには事務局をしました。その時にあったことで覚えているのは、カザフスタン(だったかな?)の方からきた人がスライドを確認しようとした時のことです。
コンピュータにUSBメモリをさして、フォルダをあけると、ファイルネームが全部文字化けしていました。ロシア語でファイル名をつけていたのですね。フォントがないから全部文字化け。結局一つ一つファイルを開いて目的のファイルを見つける手伝いをしました。
今回は、僕にトラブル発生です。
学会場となるホテルについたのは初日の夕方。初日といっても、この日は受付とオープニングパーティです。
ホテルにチェックインをし、地下の学会場で受付を済ませました。オープニングパーティまで3時間程あったので、とりあえず部屋に戻りました。
そこで自分の発表を確認しようと、プログラムをみました。
目次がありません。まぁそんなもんだろうと、抄録集を見ることに。自分の名前を探し、発表の番号を確認します。
番号の前のアルファベットが「S」になっています。「P」だと思ってたのに、、、。
通常「S」はシンポジウムの「S」を想像させます。これは必然的に口頭発表を意味します。スライドを準備し、壇上にあがって口頭で発表しなくてはなりません。「P」はポスター発表の「P」です。所定の場所に準備してきたポスターを貼付け、所定の時間にポスターの前に立って説明をします。
通常、口頭発表の方が「選ばれた演題」ということなので、有り難い話なのですが、僕はそんな話は聞いていません。(後で山口から来られている先生と話したところ、彼のところには、学会直前にポスターから口頭発表に変更になった旨が連絡されてきたと言っていました。メールを確認しましたが、学会事務局から、そのようなことを知らせるメールを僕はうけとっていません。)
今回の学会用に6000円もかけて布ポスターも作り、持ってきています。でも、スライドの準備なんてできていません。
「マジかよ、、、。」
血の気が失せました。
まぁ、口頭発表だけなら、まだ2日くらいあるので、スライドを作りなんとかこなすこともできそうです。問題は他にもありました。発表時間です。プログラム上の予定僕の帰りの飛行機の一時間前。こりゃ無理です。たとえ発表準備が出来たとしても、日本に帰れなくなってしまいます。
こりゃ無理だ、、、。
事務局に問い合わせようと、地下の学会場に降りていきました。しかし、受付の女の子しかいなくて話になりません。責任者はオープニングパーティには来るはずだと言われ、部屋に戻ってきました。
時間は夕方の6時。フィレンツェと日本では時差が7時間で、日本は夜中の1時です。
パーティは8時から始まります。
そこで、、、、、やってしまいました。待っている間に旅の疲れから眠ってしまったのです。
目が覚めたのは現地時間の11時。
The party is over.
こう言うのを、『後の祭り』、、、とは言わないでしょうが、終わってしまったものは仕方ありません。
あり得る可能性は3つ。
1)ポスターでも口頭でも発表できない。
2)ポスターをどこか空いた場所に貼らせてもらい、ポスター発表としてもらう。
3)プログラムのどこか別のセッションにすべりこませてもらい、むりやり口頭発表する。
とりあえず、3)の可能性もあるので、翌朝まで目の色を変えてスライドを作り始めました。
大分話が長くなりましたので、翌日以降の話しはまた明日にでもさせていただこうと思います。
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