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野球道

かつて野茂選手が米大リーグに挑戦した前後、大リーグが身近になり始めた頃だったと思います。

日本と外国を行き来して、米大リーグ観戦を趣味と公言する有名人が雑誌に野球のコラムを書いていました。あるとき「野球と言うスポーツの本質を考えたとき、日本の野球のあり方は違うのではないか、、、、」というような内容を書いていました。

僕はそれを読んで、強い違和感を覚えました。

野球道 (ちくま新書) 」を読んでそれがなぜだかわかったような気がします。本書は、言わずと知れた名投手、桑田真澄氏と、日本野球について豊富な著作をもつ佐山和夫氏との対談を一冊の本にまとめたものです。

前半は、桑田氏の野球人生を振り返りつつ、身体能力以外の才能について様々な角度から光を当てていきます。そして話題は、桑田氏が書いた大学院の修士論文を手がかりに、日本の野球文化の話につながっていきます。歴史、そしてそれに由来する独自の精神性、日米の野球文化の違いについて、本当に興味深い会話が続きます。

特に、印象的だった話題の一つが日本野球の黎明についての話です。

野球が日本に根付くにあたって非常に早い時期から野球道が唱えられていたこと、その底流に武士道精神、水戸国学や、西郷隆盛の流れを伝える三州義塾との交わりがあった、、、なんていう話はロマンチックな想像力を刺激してくれます。

また、カーブを初めて見たとき、「卑怯」と感じたなんていうメンタリティについての実話は、いかにも「武士」が感じそうなリアクションで、小説みたいだと思いました。

明治に輸入されたスポーツならではのエピソードだと思います。こうしてみると、外来のスポーツが日本に根付く過程にはそれぞれ異なる経緯があることを改めて実感します。

例えば日本サッカーの歴史とか、日本バレーボールの歴史とか、それぞれのスポーツが日本に根付いていった歴史を比較してみるのも面白そうですね。

また、米国ではルールは変えてよいものと言う感覚を持っていて、実際、常にルールを変える研究をしている、というのも面白い話でした。

僕たちは普通、フィールドは本塁を起点に直角に広がるものだと思っています。でも、彼らは必ずしもそう思ってはいないようです。

両側に3度ずつ広げたらどうだろうか?そしたら、惜しくもファウルになるような打球もフェアになって面白いじゃないか、、、。

なんてことを真剣に考えて、実際にそういうルールをマイナーリーグとかで実験したりしているのだそうです。今でも。

これに比べると、日本人は、ルールに対して従順なんだなぁ、と思います。枠からはみ出て考えることが苦手なのかもしれないと思う一方で、その限定された世界を無限に使おうとする文化がまた日本らしいとも思いました。

そんなことを考えてみると、野球のどこに魅力を見いだすかは、文化的背景によって異なることがわかります。だとすれば、「野球というスポーツの本質」なんてものに正解はないのだと思います。

アメリカ野球とは異なった日本野球が育ったことは、このスポーツが本当に日本に根付いたことを意味しているのだと感じました。


野球道 (ちくま新書) Book 野球道 (ちくま新書)

著者:桑田 真澄,佐山 和夫
販売元:筑摩書房
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