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「美人は得をするか」という本を読んでみた

美人は得をするか 「顔」学入門 (集英社新書) を読みました。

「美人」という表現は女性に使われることが多く、本書の題が(僕にとって)魅力的に見えたことは、僕がこの本を手にとった理由かもしれません。もう一つ、自分の仕事が人を相手とするものなので、自分が人に与える印象の大切さを日々感じていることは、興味をもった確かな理由です。

ただ、本のタイトルよりも『「顔」学入門』の方がこの本の内容をよく表わしています。地味に、まじめに『「顔」学』

顔を研究するとは、どういうことかを説明しながら話が進みます。

話の順序は

1)顔の認識
2)顔の記憶
3)顔の特徴 顔のつくり
4)顔の特徴 表情

といったながれです。

顔は全体のイメージと同時に細部の微妙な変化に至るまで、ほかのものとは違う、独特なやり方で認識されています。このため、顔の認識だけができないような病気(症状)も紹介されます。人間が認識する様々なもの中で「顔」がいかに特別なものであるかがよくわかります。

世に存在する「顔のプロ」(カメラマン、似顔絵師、法廷画家、モンタージュ写真から犯人記憶する捜査員などなど、、)の顔認識についての分析や、顔による印象の造られ方など、なかなか興味深い話が並びます。

 

話の進め方は学者さんらしく、とても堅実です。憶測や私見をはさんであおるような表現は注意深く避けられているように思います。

ご自身の思いを語っているのは最終章でご自身のエピソードを語るところぐらいです。顔研究者が顔面神経麻痺になってしまったのです。

「不運なことに顔面麻痺になってしまったが、改めて思い直すと、病気になっている間は、人生これまでにないほど自分の顔を見た。」

「顔面麻痺を経て、自分の顔についての心のハードルは低くなった。麻痺が消えたかどうかという客観的な視点で顔を見続けたからだ。麻痺のおかげで以前よりも冷静な目で自分の顔を見ることができるようになったともいえる。」

「ややつり目で厳しい表情をしていた顔の右側が、全体に緩んだ。その上、リハビリで不自由な右の動きを左に合わせるようにしているうちに、以前よりも顔の左右の均衡は改善されたともいえる。」

「多少なりとも顔が変わって思うのは、顔を受け入れているということは、自分の人生を受け入れることでもあるということだ。顔を考えることは、自分の生き方を考えることにもつながるのである。」

この辺りの記述がもっとも感情移入のあるところでしょうか。

本書では、結論を提示しません。顔を認識する、記憶する、というのは極めて複雑な認知活動であることの解説や、ご自身の体験を通じ、『顔』の大切さを訴えます。

本書を読んで、僕の解釈から題の疑問に答えるとすれば、以下のようになります。

美人であるかどうかの評価は、本人の外的要因や心理的要因のみならず、本人の社会環境や、評価する側の内的要因まで含んだ様々な要因によって決定される。

美人が得をしているように見えるとするなら、その人が、社会的動物である人間として、バランスのとれた人生を送っていることの証左に他ならないのではないか。


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著者:山口 真美
販売元:集英社
発売日:2010/09/17
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