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素人的実戦医歯薬系小論文事始 インフォームドコンセント

実戦!医歯薬系小論文講義―患者とわかり合える医者になるために (マイセレクト 受かるシリーズ) 』の第1章を読んで「インフォームドコンセント」について書いてみたのが次の文章です。

20世紀、医者患者関係は変化の必要に迫られました。いわゆるパターナリズムからパートナーイズムへの変化です。

ヒポクラテスの誓いにも、パターナリズムが認められるとおり、親が子を思うような立場と感情を持って医者が患者さんに接することによるメリットは昔から信じられてきました。けれども、その拡大解釈や悪用によって、パターナリズムの限界が露呈しました。

医師とは治療と言う名目でのみ人体に侵襲を与えることが許されている職業であるのに、第二次大戦の前後、この事を忘れた者がいたと言う事です。

その事実が大変重い事なのだと思います。

そして、「ヘルシンキ宣言」や、アメリカ病院協会による「患者の権利章典」等を経て、患者の人権を守る事の必要性が認識、確立されていきました。この過程のなかで重視されるようになったことばが「インフォームドコンセント」です。

この言葉は最初「説明と同意」などと訳されていましたが、適当な日本語がみあたらないということで、今ではカタカナがそのまま日本語に定着しました。現在では「IC」と略すこともありますが、日本語をつくることは断念されたようです。

「説明と同意」という言葉が根付かなかったのは、文字上の「説明」+「同意」というだけでなく、患者さんの人権への意識がこの言葉には必要だと考えられたからだと思います。

「説明」と「同意」だけでは漏れてしまう可能性のある人権への意識を、どう守るのかは忙しい日常臨床の中では難しい話です。

どのようにしたらそれを忘れずにいられるのか、僕が普段意識していることを一例として示したいと思います。

医療を行うにあたり、僕は大きく分けて三つの軸で考えるようにしています。このうち診療に関わるのが二つです。

一つは、1) 非侵襲的であるのか、2) 侵襲的であるのか、ということ。もう一つはA) 診断的行為であるのか、B) 治療的高家であるのか、ということです。

例えば1) A) の非侵襲的診断的行為には問診や診察、簡単な検査が含まれます。 2) A) の侵襲的診断的行為としては内視鏡検査など一定のリスクを伴う検査が含まれます。1) B)の非侵襲的治療的行為には日常生活習慣の改善や、内服薬による加療が、 2) B) の侵襲的治療的行為の代表は外科手術ということになります。

それぞれに関し、臨床研究であるか否かの境界線があります。

この境界線をこえる時、それまでとは異なる考え方の医療行為が行われることとなります。その時にそれまで以上に注意をして患者さんに納得していただく必要があると僕は思っています。その境界線をこえるかどうするか、という意思決定こそが患者さんの権利だと思うからです。

診断と治療、非侵襲と侵襲、臨床研究か否か、それぞれの境界を医者が勝手にのりこえてはいけない。

十分に達成できていないことも多々あり、反省することも多いですが、そう考えて日々の仕事をしています。


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