前例踏襲
前例、先例は、Wikipediaで次のように説明されています。
『先例(せんれい)とは過去に存在した同様の事例。また、その中で特に規範としての重みを持ち、諸々の判断基準として位置づけられるもの。前例。また、特に繰り返し行われてきたものについては「慣例」「通例」などともいわれる。』
過去に学ぶ、という観点からは前例とか、先例、というのはとても大切なものです。
また、踏襲は、同じくWikipediaで、
『以前から行われているやり方や方針などを引き継ぎ継続すること、前例などに倣い、受け継ぐこと、などを幅広く意味する表現』
と説明されています。
車や工業製品の新デザインの発表で、過去の名品のデザインを踏襲する、なんていう表現において、ネガティブなイメージはありません。
これが合わさって前例踏襲。
Weblioで検索してみると、実用日本語表現辞典の説明で
『前例に倣うこと。先例を踏襲すること』
となっています。必ずしもネガティブな説明とはなっていません。
ところが、「前例踏襲」を使っているというニュースをGoogleで検索してみると、
プール事故背景に「前例踏襲」
プール事故背景に「前例踏襲」
前例踏襲や行政のお仕着せ施策ではつまらない
役所特有の前例踏襲を時には打破し、チャレンジをしてほしい
法令順守の不徹底、前例踏襲で事務を進めてきたことが不祥事の背景
前例踏襲を続けていては政治はどんどん悪化していくだけではないか
合併前からの前例踏襲で、補助基準が明確でない
と言ったnegativeな表現が目立ちます。
不適切な「前例」「先例」が十分な考察なしに踏襲されたときに用いられる事が多いようです。
さらに「前例」「先例」を判断基準として用いるのが妥当であるかどうかの考察や判断を加えるよりも、「踏襲」する事に重きが置かれ、行動原理となってしまったとき、この「前例踏襲主義」という言葉で批判的に表現されるようです。
このような表現はどうも、役人、官僚、政治を批判するときに用いられるような印象です。
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