iPad、それなりに、でも、まだ、あんまり、、、
今回参加した米国の学会は非常に大きなもので、発表演題は2000を数えます。抄録集の厚さも5-6センチくらいあります。そんなの持って歩くだけで大変で、通常は抄録のないプログラムだけ持ち歩く人が殆どです。
今年気づいたのは、プログラムをpdfでダウンロードすることができるようになったことです。また、しばらく前から、自分の興味ある演題だけピックアップしてpdfで保存するような個人予定表を作製することもできるようになっていました。
iPadを閲覧用に用いるのであれば、こういった時にこそ「使える」のではないか、と思って今回の学会に臨みました。
pdfは三つのアプリにいれてそれぞれ使い勝手を試してみました。
EvernoteとiBooksとCloudreadersです。
学会場でのプログラム閲覧という観点からすると、Evernoteは使にくいと感じました。
Evernoteではpdfでは保存したプログラムを毎回1頁目から開かねばならず、100頁を超えるプログラムの後半までジャンプする事もできなかったためです。Evernoteそのものが、そんな目的のためにデザインされたものではないことがよく分かりました。
Evernoteは個人の情報やアイデアのデータベース化に役立つものだと思います。情報をインプットしておいて、それをイロイロな視点で組み合わせたり、活用することで新たな情報を生み出すようなツールとして考えるのがイイと思います。"note"というだけあって、ひとつひとつの情報は"book"にならない程度の量が良いようです。
この点、iBooksは比較的使い勝手がいいかな、と思いました。
文書の中の検索機能が充実している他、気になる発表のページに付箋をつけられる所、付箋をつけたページだけ並べられる所が大変ヨイと思いました。ただ、付箋をつけたページだけを閲覧する時に、各ページをもうチョット大きく表示できると更によかったと思います。学会発表のプログラムのページが小さく表示されると、ゴマみたいな文字が並んでいるだけで、ページごとの内容の違いがわからないからです。
また、書込みができないことと、ページ数が大きくなると、検索に時間がかかってしまう点が、残念でした。ある演題を見つけたかったとき、紙の本で索引から探したヒトに負けてしまったのは悔しかったなぁ。
一方、書込み、という点ではCloudreadersは良さそうな感じでした。
Cloudreaders には付箋をつける機能はないのですが、利点は、neu.notesという手書きアプリとの連系が良いことです。閲覧中のページだけ別の1ページの紙のようにコピーして取り出し、neu.notes上でメモを書き込んでpdf化して保存できます。もうチョット慣れると使うかもしれません。
でも、メモをとるならやっぱり紙に手書きがいいかな、、、。線もひきたいし、、、。
数百ページに及ぶプログラムに書き込みをしたり、下線を引いたり、付箋を付けたりすることが自在にできて、検索機能が充実している、さらに数十ページ先にジャンプすることも簡単にできる、、、、なんてアプリがあるといいなぁ、、、と思いました。
ここで気がついたのは、紙の本は小説、論文、参考書、プログラム、辞書などその内容、使用目的は様々なのに、見た目というか制作方法は同じだということです。紙を束ねて一辺を固定することで閲覧できるようにする、という点では皆同じです。でも、目的、使用方法は全く異なります。
今まではそこに注意を払う必要がありませんでした。
電子書籍の場合は、元のデータは同じ形式でも、そのデータをどのようなスタイルで活用するのかによって別のアプリが必要だと思います。もとは同じpdfファイルだとしても、読むだけなのか、線を引いたりして勉強するのか、ガイドとして必要な情報に自由にアクセスできることが必要なのか、ファイル内の情報検索中心なのか、、、、などによって、アプリに要求される機能は異なります。
将来的にAll in Oneのアプリもできるかもしれませんが、今のところは別、と考えた方がイイと思います。
今回、iPadを思うように使えなかったのは、現状の電子書籍のリーダーを学会のプログラム閲覧に使おうとしたところにムリがあったのだ、という結論に達しました。
まだ、いろいろな紆余曲折がありそうです。
一方、学会場全体がfree wifi areaとなっていたので、デバイスさえ持っていれば、どこでもインターネットに接続可能でした。HP上に使いやすい形でプログラムがアップされていれば、「プログラム閲覧アプリ」そのものがいらなくなるかもしれません。
それにしても、free wifi area、日本ではとても少ない気がするのですが、ふえてくれないですかね、、、。
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