口頭試問でダジャレ
大学同期のO君は口が達者でダジャレ好き。我が学年の名物男でした。
そんな彼は口頭試問でとにかく絶対的強さを発揮していました。
彼の口頭試問でのやりとりは、自分が口頭試問の担当教官となったとき、よく思い出します。でもそれは、緊張しやすく、本番に弱い、小心者の僕にはとてもマネできないものでした。
2年生の、肉眼解剖学実習の口頭試問でのことです。
この口頭試問は、だだっ広い実習室で行われ、全て公開の口頭試問でした。
そのため、自分の時にどんな質問をされるのか、情報を集めようとする学生達に囲まれた中で行われるという、ちょっと不思議な環境となっていました。
この試験で彼は「大腿管」について質問されました。
「大腿管」というのは、イメージ的には「お腹と足をつなぐ筒」の一つです。血管は腹部からここを通って大腿と交通しています。
ここは構造的に弱いので内臓(腸)の重さを支えきれないと、ここから下に向かって袋のようにふくらんでしまい、いわゆるヘルニアとなってしまったりします。
そういう意味で重要な構造なのですが、その時、O君はよく覚えていなかったようです。
うろ覚えの回答に、担当教官はと明らかに。
「つっこみどころを見つけた!」
という眼差しでO君を見つめながら質問します。
「本当?」
O君は答えました。
「いや、まぁ、あの、『だいたいカン』です」
この答えをきっかけに口頭試問は和やかに進行し、彼は単位を取得できたのでした。
薬理学の試問では教授から「『学問は厳粛なモノです』って言われちゃったよ。」と言っていました。それでも通ったのだから大したものです。
全ての口頭試問をダジャレで通したわけではないでしょうが、O君はヒトとのコミュニケーションにおいて、会話を自分の流れに持ってくるのが大変得意だったように思います。
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