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満腹と冷静のはざまで

 今回のドイツの学会で心密かに楽しみにしていた事があります。

 僕はドイツに行くのは今回が初めてでしたが、忙しい事を理由に、特に観光のための下調べもしませんでした。

 ホテルの朝食で一緒になって少し話をした日本人観光客の人と話をしても、こちらが一方的に聞くばかり。

 少なくとも、ドイツに行くまではそれでもイイと思わせる目標が僕にはあったのです。

 シュニッツェルを食べる事、これが僕の今回の第一弾の目的でした。

 シュニッツェルという言葉を初めて聞いたのは、もう、十年以上前になります。1990年代後半に国立がんセンターで仕事をしていた時の事です。

 アイルランドから来たGQ君と一緒に食事に行きましたGQ君はタケノコを見て、

「竹をたべるのか?」

と驚き、ゴボウをみて

「根っこを食べるのか?」

と呆れ、ネギトロ丼を見て、

「本当に、本当に、うまいと思うのか??」

と質問してきました。そんな毎日の中、彼はトンカツを見て「シュニッツェルだ!!」と狂喜していました。余程口にあったのでしょう。

 彼はトンカツ屋のおばさんに

「あなたのシュニッツェルは美味しい!!」

と熱く語っていました。おばさんが

「私も一度そのシュニッツェルを食べてみたいわ」

と応ずると、彼は

「もう作ってるじゃないか!!コレがシュニッツェルだよ!!」

と応えていました。(因みに彼のもう一つのお気に入りは長崎チャンポンでした。)

調べてみると、源を一にする料理であるのは間違いなさそうです。

 トンカツは元々、コートレットという料理法がカツレツとなまって、素材、豚(トン)と合わさりトンカツとなったと言います。コートレットは油で揚げるのとは違いますが、コートレットによって調理されるウインナーシュニッツェルと源を一にする料理であるのは間違いありません。

 それからしばらく経って、「奇蹟が僕に舞い降りた―肝移植患者からメダリストとなったスノーボーダーの物語 」を翻訳している時にもシュニッツェルが登場し、その時の記憶が蘇って来ました。以来、シュニッツェル、というコトバだけで唾液が出てくる状態に、、、。

 パブロフの犬は食べた事のある食事を想像して唾液を出していたのだと思いますが、こちらは食べた事のないシュニッツェルを想像して唾液を出すのです。

 僕の方がよっぽど高級な気がするのですが、シュニッツェルが美味しいという確証はどこにもありません。僕の場合、ただGQ君の喜ぶ笑顔の記憶だけがたよりです。食べた事のある食事を想像している犬の方がよっぽど現実的です。

 果たして、ドイツでのシュニッツェルとの初対面、、、。

 想像していた以上に冷静でした。

 これは作戦の失敗を意味します。

 恐らく、シュニッツェルにたどりつくまでに連日、肉、肉、肉、のオンパレードで空腹になる余裕もなかったためと想像されます。肉にやられて若干、草食系男子(?)となっていました。

 やっぱり肉を食べる時にはお腹減らしてないとね。この日も朝ご飯抜いとけば良かった。ホテルの朝食なんて毎日同じなんだから。でも食べちゃったんですよね。

 シュニッツェルを前にすれば自然にお腹がすくだろうと思っていたのですが、もう「肉を見ればいつでも興奮して腹が減る」なんて程は若くないみたいです。犬なら唾液は出なかったかもしれません。

 でも折角の10年越しの初対面なんです。まずは感想を。

 ナルホド。確かにトンカツと同じ血統の料理である事がよく実感できました。

 巨大に薄く引き延ばされた肉は繊維が程よくほぐれ、食べやすくなっています。

 衣はトンカツというよりはフリッターのそれに近いでしょうか、、、。店によって違うのかもしれませんが。

 横に添えられたクランベリーソースとの相性も良く、日本とは違う肉文化を感じました。肉とフルーツの組み合わせは嫌いではないので、楽しむ事が出来ました。レモンが付いているあたりは和洋共通で、脂による余分な重みを軽減してくれます。

 付け合わせのポテトも存在感を持っていて、シュニッツェルに充分対抗できます。心密かにキャベツが欲しくなるのでは、と危惧していましたが、そうは思いませんでした。

 あぁ、それにしても、文章が興奮しませんね。10年越しの初対面の感想文とはとても思えません。

 次、があるかどうかはわかりませんが、、、食べたいものを食べる時にはお腹を減らす事。空腹は最良の調味料なり。

 これが今回得た教訓でした。

 とほほ。

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