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医系小論文テーマ 11-a インシデントリポートの必要性-1

素人的医系小論文演習事始 

今回の課題は、課題11-a 「インシデント・リポートの必要性」です。

今回の課題文は「インシデント・リポートの必要性」という内容から少しはずれているように思うので、課題文とは直接まじわりませんが、僕の考える「インシデント・リポートの必要性」について書いてみました。

ハインリッヒの法則というのがあります。

「一つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、そのさらに背後には事故に至らなかった事例は300存在している。」

というもので、労働災害に対する現代のリスクマネジメントシステムを構築する礎となったものです。労働災害の統計からこの法則を導いたハインリッヒは米国の損害保険会社の人だったそうです。具体的な数字の比率は業種や事故の内容などにより異なるとは思いますが、大筋で誰もが納得できる法則だと思います。

どうしてこのような比率になるのかと僕なりに考えてみますと要因は2つあると思います。

一つは、頻度の問題です。

重大事故に繋がるような事例のおこる頻度は、事故に至らないようなヒヤリハット事例(インシデント)の頻度と比較してずっと少ないだろうと僕は想像します。少なくとも、ある程度予測をして、困った事がおこらないように回避する行動は日常においても普通に見られる事ですが、ニュースになるような重大事故はまれにしかありません。

多くの重大事故はそのような注意の網目をくぐって発生します。

この観点からの考察のみであれば、重大事故の当事者は単に運の悪い人、と言う事になります。

けれども、もう一つ別の観点があると思います。

インシデントを経験した人は、同様の原因に起因する軽微な事故も重大な事故も経験する可能性が低いと思われます。先を予想して回避できるようになるからです。

ハインリッヒの法則の比率は、殆どの人がインシデントを経験するのが300回くらい、ということだと解釈できます。

その十分の一ほどの人が、そのインシデントを全く経験することなく、先の予測ができずに「軽微な事故」や「重大事故」を経験してしまうのだと思います。

ここに僕の考えるもう一つの要因が含まれます。すなわち、ハインリッヒの法則の数字が成り立つための条件として300のヒヤリ・ハット事例が他と共有されないことが挙げられるのです。 ハインリッヒによって、彼が導き出した法則のもととなった統計がとられた時代には、現在のようなリスクマネジメントの概念はありませんでしたから、この法則は、自然な状態に任せておいたときはこうなる、という比率です。

この観点からすれば、リスク低減を目的とするリスクマネジメントシステムの機能の一つはインシデント、アクシデント事例の共有であると言えます。

上記の如く、重大事故も、注意の網目のどこかに引っかかれば未然に防げるはずです。ハインリッヒの法則で言われた300回のインシデントを共有することで全員が熟知すれば、「軽微な事故」も「重大事故」もふせげるはずである、という事になります。

インシデント・リポートは、「ヒヤリ・ハット事例」を仮想体験し、対策を模索する事で、この事例を共有するの延べ人数を飛躍的に増やすこと、それによって軽微な事故、重大事故の発生確率の低減を目指すことに、その存在意義があるのだと思います。

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