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危うし?政治家英語??

危うし!小学校英語 (文春新書) の後半に政治家の英語へのこだわりについて書かれている下りがありました。

1993年に宮澤喜一首相は英語でマスコミとやり取りをして真意を誤解され、間違った内容を一面で報じられてしまったりしたことがあったそうです。日米首脳会談では、クリントン大統領と宮沢首相が英語でやり取りを始め、その場の日本人を置き去りにしてしまったそうです。このため、英語の内容を、同行していた官僚が自分たちの国の通訳に日本語に直してもらう、、、という事になっていたとか。

宮沢元首相の話はちょっと滑稽に聞こえますが、現在でも、麻生前首相や鳩山首相は国連などでの演説、その他、「国際的」とされる場面では頑張って英語で話しています。

日本国民の間に「英語が出来る=国際的」という感覚が浸透しており、それをアピールしたいという事なのでしょう。

少なくともそれに対する批判的な報道は耳にしたことがありません。

一方で、「危うし!小学校英語」によれば、米外交で辣腕を振るったヘンリー・キッシンジャー氏は、宮沢首相の英語へのこだわりを理解に苦しむとした上で、

「一国の最高責任者が外国で公式会談に望む際、立場上、自国語(日本語)を使うべきである。」

とコメントしたそうです。

まったくもってその通りだと思います。

他国との首脳会談で自国語を使うメリットは他にもありそうです。

今はもう絶版となってしまったようですが、リチャード・ニクソン著「指導者とは」という本があります。ニクソン元米大統領が自身と交流のあった世界の政治指導者について書いた本です。20年以上前に読んだ本なので記憶が不正確な部分もあるかも知れませんが、この中に自国語を外交でしたたかに利用したエピソードが書かれていました。

フランスのシャルル・ド・ゴール元大統領は英語が達者だったそうですが、米仏首脳会談の時、フランス語しか話さなかったそうです。相手の話した内容は通訳を介さずとも理解できるので、その時間を考える時間に当てる事が出来るわけです。一方で相手はフランス語を理解できないので、思考時間のみについて言えば、単純に相手の倍、考えられる事になります。一方的に自分が有利になる、というわけです。

少なくともニクソン氏には、ド・ゴール氏がそうしているように見えたそうです。今は同時通訳がありますから、同じに論ずることはできないかもしれません。

おしかりを受けるかもしれませんが、でも、もうそろそろ「○○首相がドコソコで英語で演説し、、、、」といった言葉がニュースで報道されるような、「英語が出来る=国際的」という単純な構造からは卒業しても良いように思います。

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