意識を分散させて集中する
カヌー、カヤックなどで自然を楽しみながら川下りをしたりする時、ナチュラリストの方から教えてもらったことがあります。
敢えて一点に注意を注がず、広い範囲に意識を分散させるというのです。
川面から突然魚がジャンプすることがあります。すぐ横から鳥が飛んでくることがあります。彼らはそれを目の端でとらえ、しっかりと「見る」ことができます。この意識を分散させて集中するというのは、僕にはなかなか難しい技でした。
都市生活においては多くの場合、一点にスポットライトをあて、そこから多量の情報を引き出そうとします。
効率重視の社会で結果を求める場合、そういったスタイルの強さは絶対的です。高速サーキットでスピードを求められるようなもので、無駄を極力排し、必要なものをつきつめることで高い生産性が得られます。しかしそれは情報の有用性を瞬時に判断し、必要ない、関係ないと感じられる情報を捨て去る事を意味します。
前出のナチュラリストの方が言っていました。
「僕らは都会に行くと疲れちゃって大変なんですよ。情報が多すぎちゃって、どうしたらいいかわからなくなるんです。」
そりゃ、いちいち考えてたら疲れるでしょうねぇ。
僕たちが情報の洪水の中で無意識のうちに取捨選択をしている事は明らかで、さらにその取捨選択を極める事を是とする一面が現代社会にはあります。多くのビジネス本はそのノウハウについて語っています。
そんな現代社会にあって、遊び、余裕、アイデア、いざというときの瞬発力、全体を俯瞰する視点など、失いやすいものを失わずにいる事ができる人が「有能な人」であるような気がします。
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