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医系小論文テーマ2-a 全人的な痛みに総合的なケアを

素人的医系小論文演習事始
 
テーマ2-a 全人的な痛みに総合的なケアを
 
 現代医療の特徴の一つに細分化、専門化が挙げられます。臓器ごと、疾患ごとに医療が分類され、それぞれに対し高度に専門化された医療が繰り広げられています。これによって診断、治療の難しい疾患の予後が改善されてきた功績は誰もが認めるところだろうと思います。
 
 しかし、このことは同時に現代医療の弱みともなり得ます。現代医療を批判するとき、全人的、またはそれに類する言葉がキーワードとして用いられる事が多いのはそれを示していると言えます。
 
 医療が細分化されることにより、患者さん全体を診ることなくなり、患者さんと医療者との関係が希薄になってしまう事が危惧されているのです。
 
ターミナルケアの現場に上記のような細分化された医療がそのまま持ち込まれれば、困難な状況が容易に想像できます。比較的早い病期で、治癒の望める状態であれば、現代の専門化した高度先進医療がその疾患の治癒に貢献できることでしょう。しかし、進行した病気で治癒が望めなくなってきたとき、一つの領域のみでの医療は難しくなることがあります。
 
 痛みを例にとってみても、患者さんによって痛みの原因、性状は様々です。それを理解することなしに治療の向上は望めません。患者さんが悩まされる症状は痛み、嘔吐、便秘、呼吸困難、全身倦怠感など様々なものがあります。それらは治癒せしめるのではなく、コントロールすることが治療の目標になります。
 
 そういったさまざまな症状を、心と体を総合的に診ながらコントロールするところにターミナルケアの難しさがあるのだと思います。
 
 しかし、だから現代医療が進んできた道が間違いであったとは思いません。逆に、このことは現代医療が次に進むべき道を示しているのだと思います。
 
 すなわち、ターミナルケアのような、複数の領域を横断的に扱う医療も、専門医療の一つとして確立し、全人的なケアを必要とする人に適切な医療を提供できるようになることに、現代医療が次に目指すべき方向性があるのではないかと思います。

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