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医系小論文テーマ1-b 全人的医療の実践

素人的医系小論文演習事始

テーマ1-b 全人的医療の実践

 医療が数多くの専門分野に細分化され、医者が診療にあたるとき、人間を診なくなったと言われるようになって久しい。確かに、内科だけでも9分野に分類され、大病院で患者さんから「私はどこの科にかかったらよいのでしょう?」と質問される事も少なくない。

 また、診療の現場においても、複数の診療科の間でどこの科がイニシアチブをとって治療方針を決めていくべきなのか、綱引きのような状況を経験することがある。問題は患者さんのために最も良い診療方針を決定する事のはずなのだが、いつの間にか誰がイニシアチブ(責任)を取るのか、ということにすり替わっていたりする。

 このような状況には、診断や治療方針の決定が難しい患者さんほど陥りやすいものである。

 このことを理由として、医療の細分化が批判される事も多い。

 しかし、それぞれの分野が高度に専門化した現代の医療において、その全てを一人でこなせるスーパーマンはまずいない。内科総合専門医の資格を持っていても、消化器疾患、呼吸器疾患、血液疾患、循環器疾患、腎疾患、膠原病、代謝内分泌疾患、感染症、神経疾患の全てにおいてそれぞれの専門家と知識、技術の点で同等の診療ができる医者はまずいないと断言していい。

 このような状況の中、望ましいのは、少しでも関係する診療科の医師やコメディカルがみんなで一同に顔を合わせ、全員でその患者さんに最も良い治療方針を決定し、ワッショイワッショイと力を合わせ病状をより良い方向に導いていく事だと思う。

 これが実現できれば、医学の専門細分化が全人的医療を目指す方向と逆行するものであるとは私は思わない。

 これを実現するためには、医療者の側に患者さんへの共感がベースに必要となるであろう。その共感をもとに各医療者がフットワーク軽く一同に会し、熱い議論を繰り広げるというのが私の考える一つの理想的な姿である。

 しかし、一見同様に見えても、患者さんへの同情を基礎におくような行為は、医療者の傲慢につながり、先の押し付け合いの状況を容易に生み出すであろうし、クレームを避ける目的の迎合的態度で医療に臨むのであれば、精神的なストレスが大きすぎて、これまたトラブルの元となってしまうと考えられる。

 やはり医療者は患者さんと同じ目線にたって医療に対峙しなくてはいけないのだと思う。

 その上で、医師は、各自の医療に対する態度を常に自省すべきである。

 医療は日進月歩であり、また、時代や社会の影響を強く受ける側面も持っている。科学的には正しくなくても、世間の風潮や制度に応じて診療の内容やスタンスを変更せざるを得ない場合もある。この点で、医療を実践するにあたっては、各自が医療に対する哲学を持つ事が必要であると考える。

 この哲学は、医療観のみならず、生命観、人生観、死生観にまで及ぶと思われる。一人でも多くの医療者が、患者さんの身体的、臓器的問題のみならず、心理的、社会的問題、ひいては患者さん実存性を理解する努力をすることにより、全人的医療の実現に近づくのではないか。

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