2008年ノーベル賞を読み解く
表題は週刊医学会新聞の2009年4月13日号に掲載された、新潟大学脳研究所統合脳機能研究センター長・教授/カリフォルニア大学教授 中田力先生の寄稿です。
雑事に忙殺されて、机の上に放り出したままになっていたのですが、ようやく読む事ができました。
やや強引な印象も受けましたが、共感できるところも多く、一つの意見として大変参考になりました。
印象に残ったのは下記の4点についてです。
1)ノーベル医学生理学賞の近年の傾向と2008年の受賞者が意味するところ。
2)そしてそこから導きだされる日本国際賞への警鐘。
3)「賞をとる」事を目標とした科学のあり方への批判。
4)日本人の評価する日本の貢献度と、国際社会での認識の違い。
内容に興味のある方はこちらをお読みください。
ノーベル賞は医学・生理学賞、経済学賞、物理学賞、化学賞、文学賞、平和賞と非常に広いジャンルにまたがっていて、その全体を俯瞰するような論評を書く事はとても難しいと思います。
専門分野のみに限ったとしても、説得力のある論評のためには、ぶれない視点と地に足の着いた洞察が必要になると思います。
しかし、昨年のノーベル賞の発表後に沸き返った日本の報道では目の前の「結果」に浮かれた報道があまりに多く、「なるほど」とうなずかされる記事には出会いませんでした。
それぞれの点については似たような事も少しは語られていたかもしれません。しかし、論説の基調が全く異なっていたと思います。以前の記事でもちょっと触れましたが1)について語られた日本語の記事は目にしませんでした。
その違いはジャーナリストとサイエンティストの違いに起因するのかもしれません。けれども、少なくともこの分野において、ジャーナリストが地道な取材を積み上げて記事を書く事は意外と少ないのかもしれないと思ってしまいました。
間違いだったらごめんなさい、、、。
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