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小論文の書き方

小論文の書き方 (文春新書)  を読みました。硬派な本です。
 
読書は、文章力をつけるための必要条件の一つだと思います。書く力を養うための読書によって学ぶべきことは、知識です。この知識には2種類あります。一つはいわゆる材料としての「知識」。もう一つは論理の運び方です。後者の知識は技術に近いものです。これを言葉にしたのが通常のハウツー本です。本書はそのどちらをめざしたものでもありません。
 
「技術解説」に近い「書き方」について書いているのは全398ページのうち第一部の7ページから25ページまでの19ページに過ぎません。内容は大変興味深いのですが、そのほとんどが具体的な事例の説明です。文章を書くために一般化できるエッセンスのような文章を抽出すると、あまりに抽象的で「すぐにそのまま応用できそうだ!」という感じではありませんでした。例えば下記のような文言です。
 
「キーワードに反応せよ」
「言葉を選び静かに語れ」
「偽善的な自己に気づけ」
「自分を見失いそうになったときに自然にかかるブレーキのようなものは大切にしておきたい」
 
そして、第二部以降、本書のほとんどは作者の猪瀬氏が数年間に渡って書き続けたコラムが並んでいます。
そんなわけで、実は、買って読み始めたときには、「なんだ、自分が書いてきた文章を廃物利用して一冊にしただけじゃん。」と思いました。
 
でも、読んでいるうちに、第一部で抽象的に示された視点やロジックの組み立て方の実例が示されているのだと感じるようになりました。
 
文章のみがき方 (岩波新書) 」では、読むことによって書き手のセンスが磨かれることが強調されていました。本書には読むことによって技術を磨こうとする意図があるのだと思います。そこで、技術という観点から、これまでご自身が書かれてきたものをザクッと分類し、並べてあります。言葉にしてコマゴマ説明せず、「オレの背中を見て学べ」「オレはこうやっている」みたいな感じです。
 
本書の第一部の「名人たちの方法」に開高健による「極意」が引用されています。その補追を含めた十か条は、僕には少々高尚すぎるのですが、一番インパクトがあったのは最初の、「一、読め。」でした。「読むこと」によって「書く力」をimproveしろ、と言うことだと思います。それが本書で僕なりに少し実感できたような気がします。
 

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