臨床研修指導医養成ワークショップ
『臨床研修指導医養成ワークショップ』というものに参加してきました。
場所は富士山麓にある研修施設。泊まり込みで2日間、計16時間のコースです。移動時間は含まれていませんからスケジュールはかなりタイトです。これは仕方がありません。
研修が義務化されているのに、それを指導する側の質がバラバラでは確かに片手落ちです。その意味では必要なものなのだと思います。このワークショップを修了すると、大学病院長ならびに厚生労働省医政局長の連名による修了証が交付され、臨床研修指導医のバッジがもらえます。
「養成ワークショップ」ではその指導のための『理想的なスキル』について学びます。その方法は確かに有効です。指導医として、学び習得する事が望ましいのは理解します。
しかし同時に、丁寧な指導はtime consumingであることも事実です。それが実現できれば素晴しい。
でも指導医にはキビシいものだと思います。
だって、『指導医が時間外労働をしていても、研修医に一緒に時間外労働する事を強いてはならない』という事も同時に教え込まれるのです。
これはちょっと変な感じがしました。だって彼らだって、実際に仕事を始めたら通常の労働時間内に仕事が終わる事なんてないですよ。でも研修医の時間外勤務は強要するなという事のようです。
しかし指導医は通常業務に加えて丁寧な指導をする事が強要されるのです。
今の研修医は守られているなぁ、と感じます。しかしそれで良いのだと信じる医師が指導医となったらどうなってしまうのだろう、とちょっと思いました。
ワークショップ内で研修医のモチベーションをあげるための方法についてさんざんやったのですが、指導医のモチベーションを揚げるためのことは殆どふれられませんでした。アピールしてみたのですが、のれんに腕押し、という感じでした。
今回のワークショップで学んだ技法は有効に利用したいと思います。それと同時に、指導医のモチベーションはどうしたら維持されるか、真面目に考えたいと思いました。
全国の私立医科大学で臨床研修指導医の資格取得者は3000人ほどだそうです。僕たちの大学にはそのうちの300人がいるそうです。これはすごい。人数の多いところを生かして、一人当たりの負担が少なくなるように出来たらいいと思います。
ところで、この研修施設の売店は、一日24時間のうち、開いているのはたったの1時間でした。昼と夕方の30分ずつ。中をのぞいてみると、駄菓子やカップラーメンなどがこじんまりとおいてありました。
今回の経験の中では、このやる気のない売店が最も強い印象を残しました。当面忘れられそうにありません。
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