がんはなぜ生じるか
「がんはなぜ生じるか。」
なんて大きな題でしょう。答えなんてあるのでしょうか。本当の意味で「答え」を知っている人はいないのと思います。それがわかっていれば、現在までに、もっと有効ながんの治療法が開発されていたことでしょう。
さらに、その答えは一つではないかもしれません。実際、内容を見てみると、化学物質から放射線、微生物にいたるまで、さまざまな物事が発がんに関わる事がわかります。
このような現状で、「がんはなぜ生じるか」という問いを投げかけられたとき、専門家であっても答えは人によって違ってくると思います。その違いは、その人の専門分野、経験、あるいは世界観、生命観によって、生じてくるのではないかと思います。
本書はフリーラジカルの発癌への関与を提唱した筆者が、その世界観に基づいて発がんの原因にかかわるものを整理分類し、それらがいかに研究されてきたのか、歴史的な視点を交えて語ったものです。
文章は硬いですが、一般の読者を想定していて、専門知識がなくてもわかるように書かれています。
この一冊で全てを網羅するとは思いませんが、いわゆる発がん物質を中心とした発癌に関わる知識をコンパクトに整理するには良いと思います。
がんはなぜ生じるか―原因と発生のメカニズムを探る (ブルーバックス 1581) 著者:永田 親義 |
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