質問力
質問力 ちくま文庫(さ-28-1) (ちくま文庫)を読みました。
以前に良い質問をするのは難しい、という話を書きました。常々そう思っているので、段取り力に続き同じ著者の似た様な題名なのですが、思わず買って読んでしまいました。
以前の僕のエントリでは、質問を学会や講演会などでの質問に限定して考えていました。本書における「質問」は一つのコミュニケーションの技法として「質問」をとらえています。会話が成立するためには、言葉のキャッチボールが必要なわけで、そのキャッチボールを開始し、継続するためにはどこかで質問を発する事になります。
そしてその質問によって会話の流れて行く方向が決まって来ると言う訳です。
本書の特徴は、明快さです。良い質問とは、自分が聞きたい内容であり、かつ、相手が話したい内容についての質問である、過去と現在の文脈にそった質問である、そして具体的かつ本質をついた質問が望ましい、 とわかりやすく明確に定義します。
この位明確だと、頭の働かせ方が楽になります。それにより、余計な雑念なく、話の流れに集中できるようになる事が最大のポイントでしょう。まず話の流れにのらない事には質問が生まれません。
そしてその様な質問を編み出す技術として、本書では「沿う技」と「ずらす技」という2つの技法を紹介し、解説します。
コミュニケーションの技法としての「質問力」というものがあるとして、本書に書かれている様な技術を「意識」しながら自分が話をするのは難しいと思います。けれども、そう言った技法を意識しながら対話やインタビューなどを呼んだり聞いたりする事は可能です。
そういった会話の中で用いられている技法を意識する事により、質問力を高める事ができるようになると思います。
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質問力 ちくま文庫(さ-28-1) (ちくま文庫) 著者:斎藤 孝 |
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