_

関連

無料ブログはココログ

« 経済学的思考のセンス | トップページ | 食べ過ぎ後のダイエット »

内閣総理大臣

内閣総理大臣―その力量と資質の見極め方 (角川oneテーマ21) を読みました。

舛添要一厚生労働大臣の本で、作者が参議院議員となって一年後の2002年に出版された本です。 本屋で何となく目についたので読んでみました。筆者の考える「政治とは何か」という解説に続き、平時と変革時に必要とされるリーダー像の違いを論じ、これ からの日本に必要のは「創造的リーダー」であると説きます。

国際政治学っていう学問自体、勉強したことがないのでよくわかりませんが、こんな事を考えていると、いつか自分がリーダーになりたい、自分ならなれる、と思ってしまいそうだなぁ、と感じました。

本書のなかで「貴業」としての「政治家」という職業が語られていますが、世の中の人たちのこの職業についてのイメージからは遠いものがある様に思 います。でも、実際、我々の代表であるわけです。情報の発達した現代では、生身の人間がカリスマ性を身にまとう事は難しいと思いますが、せめて尊敬できる ような方々に政治家となって、日本を治めて欲しいものだと思います。

本書の中で語られている事で、必ずしも宰相のみでなく、一般の人にも通じることと思ったものに、教養について下記の様な記述がありました。

「コンピュータやインターネットを自在に駆使できて頭がカラッポよりも、こうしたテクノロジーが使いこなせなくても、歴史と古典に通じている人間のほうが社会にははるかに有用な人材であり、エリートたり得るのである。」

学生時代に一緒に遊んでもらった人で当時商社に勤めていたPKさんという、スウェーデン人と日本人のハーフの方がいました。彼が英語に関して似たような事 を言っていました。 英語が流暢にしゃべれて中身のない人と話をするよりも、英語が流暢でなくても中身のある人と会話をするほうがずっと楽しい、というこ とでした。

彼いわく、英語がただ流暢なだけであることが一番よくわかるのは、ある単語の意味が通じなかったときの対応だそうで、意味の通じない同じ単語を流暢な発音 で連呼するしか能がない人がいるのだそうです。人によっては、何とか工夫をして自分の意図する内容を相手に伝えようと、いろいろな表現を試す事ができるそ うです。そういう人のほうが、一つの物事を多角的に見ることができて、話をしていても有益なことが多いと言っていました。

英語も、コンピュータも、インターネットも基本的にはツールであり道具ですから、それを使いこなすことにより何を表現するのか、またはどのような情報を得たいのか、何を知っているのか、中身が大切だ、と言うことだと思います。

外国の人と話をすると、日本の事を知らなくて返事に窮する事があります。先日も食事に行った時に、たまたま隣の関に座っていたイスラエルの人に、「硫黄島 で戦った日本の将軍の名前は誰だっけ?」と聞かれ、答えられませんでした。彼のその時のリアクションは「我々は国の英雄の名前ならみんなおぼえているの に。」というものでした。

正直に言って 彼のコメントに同意しかねるものを感じるのは事実です。しかし、ジョン・F・ケネディやビル・クリントン米大統領が最も尊敬する日本人として上杉鷹山を挙 げ、戦後西ドイツの名宰相コンラート・アデナウアーが 教育勅語の素晴しさに驚嘆し、ドイツ語訳を自分の執務室に貼っていた、、、なんて話を聞くにつれ、自らの無知を改めて思うのであります。

自国の事も、他国の事も知らない事がいっぱいあるのは仕方がないので、せめて知識欲くらいは持ち続けたいものだと感じました。

内閣総理大臣―その力量と資質の見極め方 (角川oneテーマ21) 内閣総理大臣―その力量と資質の見極め方 (角川oneテーマ21)

著者:舛添 要一
販売元:角川書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

« 経済学的思考のセンス | トップページ | 食べ過ぎ後のダイエット »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 内閣総理大臣:

« 経済学的思考のセンス | トップページ | 食べ過ぎ後のダイエット »