集中力
集中力 (角川oneテーマ21 (C-3)) 谷川浩司著を読みました。
著者の谷川さんは「決断力」を書いた棋士の羽生善治さんのライバルとして有名な棋士ですね。
この本の前半では、著者は、自分の歴史を振り返りながら、その歴史の中で得てきたものを振り返りつつ未来へ向かってこれから必要とされるものを考えていま す。 なので、20代、30代、40代、という言葉が多く出て来ます。
後半の第二部ではその勝負に必要な要素に焦点をあてて語られます。正直、僕は将来必要とさ れるものを効率よく自分のものにして行くだけで十分とは思っていません。論理的に導かれる「必要条件」以外の経験こそが originaliy を高め、個人のidentityを高めてくれると思うからです。
そうは言っても、「必要条件」が揃っていなければスタートラインにも立てないかもしれませ ん。「必要条件」が何であるのか、そして自分に「必要」であって、尚且つ足りない要素を自覚するのはやっぱり大切なのですね。僕は自分でこの辺の分析が甘 いなぁ、とちょっと感じました。
また、集中力という事については、著者の言葉で印象に残ったものに次のようなものがありました。「集中力の基本は「好き」であることの持続 である」「集中する為には自分のペースを守る」「プレッシャーをむしろ楽しむ」特に最後のものについては、同じような事を長嶋元巨人監督も、その昔、スー ツかなにかのコマーシャルでそんな事を言っていたような気がします。これらの言葉は、好きな事を見つける事が出来、生業とする事が出来た人の幸福な言葉で あるようにも聞こえます。
一方で、単に幸せなだけでなく、「目標に向かう途中で簡単に結論を出すな」というような厳しい事も説いています。やはり、一つの事を大変高いレベルにまで上り詰めた人の言葉なのだと思いました。
興味深いと思ったのはライバルである羽生善治さんについてのコメントです。著者の谷川さんは自分の事を一番わかっているのは羽生さんだと書いています。「決断力 」の中で羽生さんも同じように、自分を一番理解しているのは谷川さんだと書いています。お二人とも普段は大した話をする事もない、と書 いておられるのも共通で、大変印象的でした。本当にそうなのでしょう。そして、話をしなくても、将棋という勝負の中で互いの人間性も含むすべてをかけて、 高いレベルで戦っているのだという誇りがお二人にはあるのだと思います。
また、この本の終わりの部分で、紹介されている「無為の力―マイナスがプラスに変わる考え方 」も読んでみたいと思いました。
この本は先日亡くなった河合隼雄さん谷川浩司さんの共著だそうです。この本の中で河合さんは「何かひとつの方向に収斂して行くような集中の仕方ではなく て、言ってみれば方向性を全部捨てた集中力」の必要性について語られているそうです。このような持続する精神状態を集中力としてとらえる視点は大変興味深 いと思います。
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集中力 (角川oneテーマ21 (C-3))
著者:谷川 浩司 |
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