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両親学級?2

 二回目のクラスは、悪である痛みを克服する為の無痛分娩のための麻酔はいかにして行われるか。帝王切開は何故行われるか。そしてこれらの処置に伴う合併症にはどのようなものがどのくらいの頻度で認められるか。と言った事をかなり詳しく説明します。

 解剖学的、生理学的な説明もていねいになされます。そしてこれもまた、実録ビデオ付きです。

 一回目のクラスで痛み、苦痛についての知識は十分すり込まれていますから受講者の関心は大変高くなっています。

 自らのおかれる状況を想像しながらその辛い経験をいかに乗り越えるか、真剣に考えて行きます。

 僕は「これだけ入念に講義されればアメリカで無痛分娩や帝王切開の率が高くなるのもわかる気がするなぁ。いや、これは簡単に自然分娩から帝王切開に移行する事を納得させる前ふりか?」などと思いながら聞いていました。

 実際、米国における帝王切開の率は随分高いようです。

 その両親学級の最後に病院見学をしました。病室は2人部屋、個室とあって、個室は追加料金となっていました。

 僕達の場合、出産は保険でカバーされ、追加料金には職員割引が適応されます。

 それでも僕らの経済力からするとちょっと高すぎました。

 個室は一泊500ドル、から800ドルとありますが、個室に家族が泊まる場合は倍額(!)になります。

 一番高く泊まろうと思えば、800ドルの部屋を3部屋つなげて一泊2400ドルで泊まれます。有名人なんかはボディガードもつけて、そういう所に泊まるらしいです。

 当然の事ながら、部屋は値段が高くなればなるほど良くなるのですが、何が違うってもう世界が違うって言う位違います。

 まず、個室のある病棟は2人部屋の病棟とフロアが違います。

 幾つかフロアがあるのですが、2人部屋部屋、安い(それでも一泊500ドルくらい)個室のあるフロア、高い個室のあるフロアと、値段が上がるに従い、壁の色、受付のナースステーション、全てがグレードアップして行きます。

 高い部屋は部屋が広いのは当然ですが、部屋の装備も、使われているリネン類も違うし、大学のロゴ入りのバスローブとかまで備えてあったりします。

 また、同じフロアの病室でも、セントラルパークが見える部屋と見えない部屋では値段が違います。

 どの部屋に入るかは出産後、自分で選ぶのだそうです。見学しているお母さん達は、部屋がだんだんグレードアップして行くにしたがって、「わたしもこっちに泊まれるのかしら?」とウキウキしていくのが目に見えてわかり、微笑ましい感じがしましたが、心が凍り付いていったご主人が、僕の他にもいたのではないかと勝手に想像していました。

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