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臓器移植

恵介くんと肝移植

ある日体調が悪くなって病院に行ったら、医師の病状説明は死の宣告に近いものでした。C型肝炎に罹患しており、肝硬変の終末期にある、このままでは残された命はあと1年あまり、、、。

細谷恵介くんは28歳の若さでその状況におかれたそうです。

彼の命を救うためには肝移植しか道はありません。

移植医療を巡っては様々な問題が存在していて、いろいろな立場の意見があると思います。移植医療を受けられる道が大変狭い現状であっても、ルールを守る事が大切だと思います。

日本では肝移植は生体肝移植が主流ですが、恵介くんには生体肝移植を受けるという選択肢はありません。全国で一年に10〜15人しかいない脳死肝移植のドナーが現れるを待つほどの時間的余裕もありません。

そうなると、海外での脳死肝移植が残された選択肢となります。米国などでは5%が外国人枠として認められているとの事ですから、その枠内であればルールに則っているので、ギリギリ許容範囲内と言えると思います。

けれどもその為に6000万円というお金が必要だそうです。この金額は個人がそう簡単に捻出できる金額ではありません。

恵介くんを見て彼の友人達が立ち上がりました。「恵介くんを救う会」は彼の友人である20人近い若者達がその中核を占めます。しかし若い人だけでは様々な問題をクリアするのに難しい事が多かったそうです。年長者の方がその若者達の心意気を感じて代表となって下さいました。

今日、その恵介くんが海外で肝移植を受けるための募金を集う記者会見が、厚生労働省で開かれ出席しました。

 

詳細と募金の方法は「恵介くんを救う会」のホームページ移植支援協会のホームページにゆずります。

http://save-keisuke.com/

http://www.ishokushien.com/

今回、僕がこの記者会見に参加して、一番感動したのは、この若い人たちの気持ちと、その熱い気持ちを受け止めよう、導いて行こうと言う代表の綱島さんの心意気でした。ほかにも地域のお母さん方が活動に参加されているとの事です。

これ程多くの人たちが彼のために立ち上がってくれた、これは恵介くんの人徳を示すものでしょう。そしてこの若い人たちの熱い気持ちが人の命を救ったとき、健康な若者達の間にも、健康や医療へ意識が振り向けられるような流れが生まれる事を望みます。

移植のポップス

先日、僕の勤務している病院でドナーアクションプログラムというのが行われました。これは、脳死臓器移植のドナーとなりうる患者 さんの識別に始まり、御家族のケアも含めて臓器摘出までの過程を効率的に進めようとするものです。

僕は参加していなかったのですが、今回行われたものは話 の内容から、EDHEP(European Donor Hospital Education Program)のようなもので、悲嘆家族と医療者とのコミュニケーション技能を向上させる事を目的としたプログラムであったろうと思っています。

このドナーアクションプログラムこられていたKankeriさんという方をご紹介いただきました。もともと臓器移植にもかかわるようなお仕事をされていま すが、趣味で音楽の自主制作を されているとのことです。そのKankeriさんが、臓器移植コーディネーターをしている方にお会いした事をきっかけとして、ポップミュージックを作成されました。Kankeriさんから直接、CDをいただき、聞かせていただきました。心にしみわたるような歌詞が優しいメロディにのって歌いあ げられます。

テーマは Grief Careだそうです。Grief Careは、大切な人を亡くされた御家族の心を癒す事を意味します。歌詞では、そのテーマを見据えて短い言葉でかたられる物語が展開します。

ドナーとなる方の命の終わり。

その遺志により新たに命を授かった方の感謝の気持ち。

そしてその後、

『触れるたびに たしかに感じる ふたつの命重なる 』

 

という歌詞がリフレインされます。移植により病気を克服した方は本当にそれを実感されるのでしょうね。そしてその人の存在により悲しみが癒される方々もおられるのだと思います。名前も顔も知らない人たちの間にこころの絆がむすばれます。

音楽の力で、ドナーファミリーのみならず、多くの人々に暖かい心を移植する事ができたらいいなぁ、と思いました。

肝移植をうけた最初のオリンピックメダリスト、スノーボーダーのChris Klug選手も自伝(奇蹟が僕に舞い降りた―肝移植患者からメダリストとなったスノーボーダーの物語 )の中でこう言っています。

『僕は新しい肝臓を授かった。けれども、時には新しい目と心も移植されたのではないかと感じる事がある。特にサーフィンをやっている時や、山岳を見渡した りしていると、世界がいかに素晴らしいのかを改めて実感する。その時、自分が授かった贈り物への感謝の念がわき上がるのだ。』

彼は先日こうも言っていました。「僕の物語を日本の人たちと共有する事で、誰かを助ける事が出来ればとってもハッピーだよ。」

確かに彼は自分の体の中にもう一人の自分を感じ、感謝をどう表現したらよいのかわからない時もあったようですが、その後Chris Klug財団を設立し、移植医療の振興に力を注いでいます。

彼もこの曲で歌われている通り、『その価値に見合うだけの生き方を探して』いるのだろうなぁ、と思います。

曲は「こちら」で聴く事が出来ます。Kankeriさんのブログもお人柄が現れているようで素敵です。

Heart to HeartやKankeriさんのように自分の思いを「自分がやりたいかたちで」行動にうつしたり表現したりするという事はとても大切な事だと思います。

Kankeriさんありがとうございました。

残念、今年も

FIS スノーボードワールドカップin 郡上に行ってきました。と、いっても最終日のパラレルジャイアントスラローム PGS しか見ていないので、「見た」とはお世辞にも言えないのですが、、、。

PGSは青と赤のコースを二人の選手が競争しながらスピードを競って滑り降りる競技です。スキーとはまた違った見応えがあります。接戦になると、二人のスノーボーダーがまるでダンスをしているかのような華麗さがあります。

我が期待のクリス・クルーグ選手は今年もまた予選第一走で転倒、コースアウトしてしまい、昨年に続き予選落ちと言う、残念な結果となりました。

レース後、彼は、今日はとても「イイ感じで乗れていたのに、、、。残念だ。数日続いた晴天で硬くなった雪を昨日ふった柔らかい新雪が被っていて難しかったよ。It's not my day.」と言っていました。彼が転倒した箇所は他にも転倒した選手が多くいて、難しかったのは事実のようでした。

優勝したのは、ジェシー・ジェイ・アンダーソン選手。クルーグ選手と同様に長いキャリアを持つトップ選手です。

次のレースまで短い休みがあるようですから、リフレッシュして、次のレースからまた頑張って欲しいと思います。

Chrisnobu

スノーボードワールドカップin 郡上

今週の金曜日22日から24日まで、岐阜県郡上師の高鷲スノーパークで、FISスノーボード・ワールドカップが開催されます。

競技日程は22日 SBX スノーボードクロス、23日 HP ハーフパイプ、24日 PGS パラレルジャイアントスラローム、となっています。我がクリス・クルーグ選手は24日のPGSに出場する予定です。昨年、富良野でのワールドカップでは予 選落ちでした。2月17日韓国でのワールドカップに出場し43位でしたから、今頃は雪辱に燃えている事でしょう。いや、そんな昔の事なんて覚えていないか も。いずれにしろ、気合いでパンパンになっている事だけは間違いないと思います。

その前の北米カップのジャイアント・スラロームでは2位に入っていて、調子は悪くないと思うので、今年は上位入賞、できれば表彰台をと、期待しています。 彼はワールドカップでは最近勝利から見放されていますが、持ち前の陽気さと前向きな強い気持ちで上位に食い込んで欲しいと思います。

webで検索してみると、今回のワールドカップで授与されるメダルは県産品のヒノキで出来ているらしいです。日本の文化を何も知らないクリス君、もらったらびっくりするだろうなぁ。

なにしろ、昨年、彼の自伝が日本語で発売された時、「横書きが縦書きになってる!ページが逆にならんでる!!」とびっくりしていたくらいですから。(長野オリンピック以来、彼はもう何回も日本に来ているはずなのに、、、。)

Heart to Heart のコンサート

昨年、行われたHeart to Heart のイベントが今年も行われます。

昨年のチャリティコンサートでHeart to Heart NYCがサポートした阿波宏典君は元気に帰国され、多くの人たちに光をもたらしているそうです。よかったですねぇ。

昨年の大萩康司さんのクラッシックギターもとっても良かったですが、今年はバイオリン。NY在住のバイオリニスト竹澤恭子さんのリサイタルとのことです。

Heart to Heart 主催で2006年にも竹澤さんのコンサートが行われており、この時も大好評だったようですから、今回も期待できる事と思います。エドアルド・ストラビオリ さんとの競演は長年のものだそうで、陽気で明るいおふたりならではのエピソードなどもあるそうです。

息のあった二人による、暖かいコンサートになりそうで、是非行きたいのですが、、、 平日の夜で僕はちょっとキビシそう。

3月13日 木曜日 19:00開演
会場は代々木上原より徒歩約五分のMUSICASA(ムジカーザ) になります。

詳しくは Heart to Heartのホームページをご覧下さい。

脳死・臓器移植の本当の話

 「脳死・臓器移植の本当の話 (PHP新書) 」を読みました。 

 臓器移植法が施行され10年になります。そういった中、この本は、脳死・臓器移植にはまだまだいっぱい問題点がありますよ、情報を吟味してご自分でよく考えて下さいね、と言う本です。基本的に。

 確かに移植医療、ことに脳死判定、脳死の診断と言う事には色々な議論、難しさがあるのだと思います。賛成にしろ、反対にしろ、議論がひろまって意識が高まる事は良いことだと思います。ただ、ちょっと分厚くて、内容もとっつきにくいかもしれません。

 僕の意見は、この本を読んでも基本的に変わりませんでした。

 他の人の意見はどうあれ、脳神経外科の医師が積極的治療を諦めざるを得ない様な状況に自分がおかれ、「脳死」と診断されたとしたします。僕個人としては可能であるなら自分の臓器を他の方の治療に役立てていただいて何の依存もありません。

別に変な意味で自分の意見に固執しているつもりもありませんが、そう思います。

 ただ、この時に「可能である」ことの前提として、僕の家族がその状況に納得できる事が必要ですが。

 今度の冬には、郡上で行われるスノーボードのワールドカップに行きたいと思っています。

 この大会に出場するクリス・クルーグ選手は、医療技術としての臓器移植と、臓器提供者・その御家族の善意がなければ、この大会に出られなかった事はまちがいありません。

脳死・臓器移植の本当の話 (PHP新書) Book 脳死・臓器移植の本当の話 (PHP新書)

著者:小松 美彦
販売元:PHP研究所
Amazon.co.jpで詳細を確認する


奇蹟が僕に舞い降りた―肝移植患者からメダリストとなったスノーボーダーの物語 Book 奇蹟が僕に舞い降りた―肝移植患者からメダリストとなったスノーボーダーの物語

著者:クリス・クルーグ,スティーブ・ジャクソン
販売元:合同出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

スノーボードと現代の奇蹟8

 マウントサイナイ医科大学で一緒に働いていた同僚から聞いた話では、クリスがマウントサイナイで講演をした時、こう話していたという事です。自分は肝移植手術を受けるまで、自分の体調がどんなに悪いのかを自覚することは出来なかった。新しい肝臓を授かって初めて自分がどれだけ重症だったのかを理解できた、と。

 「奇蹟が僕に舞い降りた―肝移植患者からメダリストとなったスノーボーダーの物語 」を翻訳している間にもクリスのもとには、日本で肝移植手術を待っている患者さんからメールが彼宛に届いていました。彼は自分のポスターにサインをして彼に贈り、応援のメッセージを伝えたとの事です。

 こう言った事実を聞き、私は臓器移植普及だけでなく、患者さんを励ます意味でも、本書が貢献できるとますます信じるようになりました。

 本書により、クリスと同じ気持ちを実感できる患者さんが一人でも増え、いのちを大切にするメッセージが少しでも広まればと願い、心を込めて翻訳させて頂いたつもりです。

 そして、臓器移植推進のメッセージは本書のメッセージの一部と言っても良いと思います。この本は、人生をあきらめず、肝移植を受けてカムバックした奇蹟のスノーボーダーの物語です。真のメッセージは「いのちを大切にして、人生を楽しもう!」という事にあると思っています。新年早々、悲しいニュースが沢山流れていますが、そんな事のない世の中を望みたいものです。

 さぁ、今日のクリスの滑走はどうなるでしょうか。

 自分の自伝がこの絶妙のタイミングで出版される事を知った彼は、「もう、表彰台に登るっきゃないね!」という、いつにも増してエキサイトしたメールを送ってきました。

 応援したいと思います。

スノーボードと現代の奇蹟7

 話は少し前後しますが、クリスとメールでやり取りをしているうちに、この "To The Edge And Back: The Story from Organ Transplant Survivor to Olympic Snowboarder

" を翻訳して、日本に紹介したいと思いました。クリス本人に相談すると、「それはいい。是非日本でも出版しよう!」と快い返事。「著作権とかどうするんだ?」と、何の手順もしらずに矢継ぎ早に質問する僕に対し、クリスは「ちょっと待て、まず日本の出版社を見つけて、米国の出版社と交渉してもらう事が必要だ。」とアドバイスをしてくれました。そこで、以前友人に紹介してもらった出版社の方に相談をし、アドバイスをいただく事に。

 僕はこの本に思い入れがとても強いので、もう読みながら涙でグシュグシュになってしまい、支離滅裂な感情論を訴えるだけなのですが、プロの方は冷静にコメントをして下さり、さすがだなぁ、と感服しました。その結果、多少のハードルはありましたが、この本を出版する事の社会的意義を認めていただき、出版する方向で話を進める事に。

 翻訳の途中でぶつかったアメリカ文化特有の表現はインターネットのおかげでなんとか意味を汲み取る事が出来ました。

 キリスト教関係の言葉に関しては、韓国で牧師をしている高校の先輩にアドバイスを頂きました。

 文中のフランス語は今はスイスで学校の先生をしている中国系フランス人のNVさんにお世話になりました。


 その他、家族を始め、色々な人にお世話になり、協力してもらい、半年近くかかって荒訳が完成しました。それから日本語を直したり校正したり、結局全部で一年半近くの日が経ってしまいましたが、ついに!!本屋さんに並ぶ事になりました。

邦題は「奇蹟が僕に舞い降りた―肝移植患者からメダリストとなったスノーボーダーの物語 」です。

 そして明日はいよいよ富良野ワールドカップ。日本勢が活躍する事ももちろんですが、クリスが良い滑走をする事を期待しています。


奇蹟が僕に舞い降りた―肝移植患者からメダリストとなったスノーボーダーの物語

スノーボードと現代の奇蹟6

 今日はバレンタインデー。日本と米国でバレンタインデーの習慣が異なる事を御存じの方も多いと思います。

 そして、もう一つ、今日はNational Donor Day(ナショナル ドナー デイ:全国ドナーの日)と言う日でもあります。この日のイベントとして、献血や臓器移植のドナー登録へ協力を呼びかけたり、募金キャンペーンが各地で行われたりします。(クリスの本を読んで知った事ですが、、、。)

 そんな「ドナーの日」、と言われても一般に、健康に生活している人たちにとっては、臓器移植は別世界の出来事のように聞こえるのではないでしょうか。ただ、脳死臓器移植のドナーとして最適なのは、生前に病院なんて近寄った事もない、病気なんて全く縁のなかった人たちである事は明白です。その人たちとその御家族にメッセージが届かなければ、ドナーの数は増えないと思います。

 まずは、臓器提供意思表示カードを持つ人の数を増やす事から始める事が必要だと思います。

 臓器提供をするにしろ、しないにしろ、意志を表らかにする事が大切です。臓器提供は完全なる自由意志によって決定されなくてはいけませんから、その意味で、臓器提供を拒否すると言う意思表示をしたカードを携帯している人が一定数いる事はとても大切だと思います。また、そう言った話が日常生活の中で家族と語られる機会が増える事が望まれます。なんといっても最終的に臓器提供に同意するのは遺された御家族ですから。

 その意味で、クリスの自伝 "To The Edge And Back: The Story from Organ Transplant Survivor to Olympic Snowboarder " は一つの役割を果たす事が出来るのではないかと感じました。

スノーボードと現代の奇蹟5

 以前にも書いた通り、日本で肝移植と言えば生体肝移植が普通です。現在、国内の脳死肝移植は数にして生体肝移植の100分の1程にしかなりません。

 僕が日本に帰国してから1年あまりの間に劇症肝炎に罹患し、肝移植により命を救われた若い女性がいました。命に関わる病気に突然罹患し、ある日突然降ってわいたような事態に、御家族の精神的負担はどれほどのものがあるでしょう。そして彼女の病態が肝移植適応基準を満たした時、臓器移植は生体肝移植しか選択肢がほぼないと言ってよい現状で、ご両親を初め、御家族には臓器提供申し出なくてはいけないという精神的圧力はないのでしょうか。

 また、母が肝不全となり、娘が母を救うため、自分の肝臓を使って肝移植をして欲しいと希望しても、母は娘の体を傷つけてまで長生きしたくないとその申し出を受け入れないという事例もありました。

 僕自身が臓器移植に直接関わる事は殆どありませんが、医師として臓器移植が通常の医療として根付くには時間が必要だと感じると同時に、根本的にはドナーの不足という問題が横たわっているのだと感じます。

 

 そんな中、先日朝日新聞に脳死患者さんからの臓器提供が増加傾向にあるという記事が出ていました。また、自分が脳死となった場合に、臓器提供に肯定的な意見を持つ若者の数が増えているという報道もあります。これらは本当に希望が持てる動きだと思います。