2009年6月 8日 (月)

自転車通勤の愉しみ

5月末に正月以来の走行距離が750キロを超えました。現在808キロで月平均150キロを超える計算です。

年間1500キロ、月平均125キロを目標にしていましたから、予想以上のペースで距離が伸びています。これから梅雨に入りペースダウンするでしょうからちょうどいいかもしれません。

順調に距離がのびている理由の一つにダイエットや健康への意識があることは間違いありませんが、自転車通勤の愉しさを味わえていることもまた大きな理由だと思います。

小学生の頃、父親から「自分は山奥でつぼみの大きさや色を見ながら春を待ちこがれて過ごしたが、おまえは都会で育っているから、春が近づいているのなんかわからないだろう。」なんて言われた事がありました。そうかなぁ、そうかもしれないなぁ、、と想いながらずっとすごしてきましたが、自転車通勤をするようになり、日々の風にこれまでに感じなかったような季節感を感じるようになってきました。(歳をとったせいかもしれませんが、、、)

(名前がわかるものは殆どありませんが)色々なところで見られる花や街路樹の葉の色や木々の枝振りがかわっていきます。春から初夏にかけての緑には生命の力強さを感じます。

そして、特に根拠はないのですが、朝、多摩川を渡るとき、きれいな富士山が見えると、活力が出るような気がします。頻度は冬の方が多かったような気がします。空気が澄んでいるのでしょうか。

また、富士山は見えなくとも、多摩川の流れを見られることも通勤途中に癒される瞬間です。

一年ほどの短い間でも、川の流れが少しずつ変わってきました。

大水で河原の風景が一変した後、新たに流れ始めた中州近くのところは、蛇行する外側部分が何ヶ月もかけて徐々に深くなっていきました。最初はなだらかな浅瀬だったのが、今では数十センチの崖のようになっています。徐々に雑草も生えてきました。

これからまた梅雨になって水量が増えたとき、どのように変わっていくのか、小学校の理科の教科書を思い出しながら、興味を持って眺めています。

腹の肉が気になりつつも、お腹いっぱい食べたいので、そのためにも、楽しみながら自転車通勤を続けたいと思います。

2009年5月27日 (水)

電動歯ブラシ

 僕は小さい頃虫歯が多く、ずっと歯医者通いでした。今、そういう子供はあまり見かけませんが、幼稚園のころには前歯が全部とけてしまっていました。おかげで永久歯が生えるまで入れ歯をしていました。入れ歯をした幼稚園児なんて、今も昔もなかなかいないと思います。

 永久歯が生えてきても歯並びが悪く、歯医者さん通いはずっと続きました。風邪のため鼻で息ができない時、矯正用のマウスピースをして寝なくてはならず、明日の朝までに窒息してたらどうしよう、と真剣んに悩んだこともありました。

 そんなわけで、歯の健康には全く自信がないのですが、食べるのが好きな僕としては、今の自分の歯と少しでも長くお付き合いしたいと思っています。

 Sonicareはそんな僕のお気に入りの電動歯ブラシです。歯ブラシとしては高価ですが、使用感は大変よろしいです。やみつきになります。

 何が良いかというと、なんと言ってもそのパワー。歯の裏側に軽く当ていているだけで振動が歯の隙間を通して唇に感じられます。

 また、ブラシの毛先が3次元にカットされていて、一部尖っているように見えるので、痛いかな?と最初思いましたがそんな事は全くありませんでした。この尖っているところがまた歯の隙間をきれいにするのに役立っていると思います。

 基本的には口腔内を上下左右に4分割し、それぞれを30秒ずつブラッシングするのが標準使用のようです。30秒経つと一瞬ブラシの振動が止まります。これを合図に次の場所に移動するというかんじです。

 標準の二分間のモードには、Clean、Sensitive、Massageの3種類あり、その他に一分間のお急ぎモード、三分間のしっかりモードと多彩なモードがあるので好みに合わせて使えます。

 僕は二分間では物足りないので、その倍くらいかけてCleanモードでブラッシングをしています。

 これをすると歯がツルツルになるだけでなく、歯間まできれいになったように感じて大変気持ちがいいです。

 養生訓を著した貝原益軒は江戸時代に80歳をすぎても歯を一本も失っていなかったそうですが、そうなりたい、そうなれるかな?と思わせるほどの磨き終わり感です。

 他の商品と比較していないのに、べた褒めしてますが、本当に良いと思って使っています。

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販売元:Sonicare (ソニッケアー)
発売日:2007/09/21
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2009年5月15日 (金)

とまらない咳

 一週間以上、咳がとまりません。
 
 先週中頃から症状が出現し、最初は鼻汁、咽頭痛といった軽度のカタル症状を伴っていて普通の風邪だと思ってました。
 
 金曜日の夜には悪寒を伴う発熱と頭痛が出現しました。おや?っと思ったのですが、感冒薬と解熱鎮痛剤の内服で症状は早期に改善を認めました。やっぱり風邪だったのでしょう。
 
 けれどその後も咳だけがとまりません。
 
 のどの更に奥の方につねに違和感があって、咳をして痰を出すと楽になった気がしますが、あっという間に違和感が再出現します。
 
 去痰剤と咳止めの内服も、今のところ効果は若干の改善??という程度にとどまっています。
 
 この症状、「かぜ症候群後遷延性咳嗽」ではないかと思っています。診察したことはありますが、自分がそうなったのは初めてです。
 
 いわゆる咳エチケットという観点から こまるのは電車やバスの中。微妙に咳払いなんかをして大きな咳をしないようにしています。
 
 がんばれば30分くらい咳をせずにいられるもので、そうすると、その後の咳も楽になっています。でも、気づくとまた、立て続け大きな咳が出ています。咳が咳を呼ぶ感じです。
 
 症状としては咳だけですから、病気としては大したことはないのですが、一日中呼吸に意識が割かれてしまって一つのことに集中できません。
 
 この「かぜ症候群後遷延性咳嗽」、日常生活においては意外に侮れないものだと実感しました。
  週末、気道粘膜の安静と保湿につとめ、早くよくしたいと思います。

2009年4月 4日 (土)

イチロー選手とWBCと胃潰瘍

イチロー選手が胃潰瘍で故障者リスト入りしてしまったとの事。

ストレスによる胃潰瘍ではないかと想像します。ネズミを檻にいれ、首の高さまで水につけると、溺死への恐怖感から数時間で胃潰瘍ができるそうです。

WBCで不調だった時の彼のストレスは、まさに生命の危機に匹敵する大変なものだったのでしょう。「胃に穴があく」とはまさにこの事です。

イチロー選手のストレスがこれほど大きくなった原因は彼自身の不調だけではないと思います。

これまでの野球人生の中で、さまざまな不調を何度も経験し、彼はそれを克服してきているはずです。ストレスを大きくしたのは、WBC、チームへの彼の思い入れの深さではないかと思います。

強い思い入れがあるからこそ、自分にも期待するでしょう。周囲の期待にも応えたいと思うでしょう。その両方に応えられない時、思い入れが強ければ強いほど、逃れられない強烈なストレスが襲ってくるのだと思います。

4年に1度、短期決戦、日本代表、周囲の期待等、さまざまなファクターが増幅され、一つ間違えば戦犯扱いしそうな報道は、胃潰瘍ができるほどのストレスを抱える本人にとっては非常に不快なものに違いありません。

でも、今回のWBC中、記者の「国民が期待していますが」との言葉に、「知ってるよ、わかってる。知ってるから。」という返事をしていた時の彼の表情にトゲトゲしさはありませんでした。

そんな大人の対応をとれる彼だからこそ、不調にあっても他の代表メンバーから浮く事なく戦い抜けたのだと思います。

そして最後の最後に結果を出してしまったあたりはやはり常人ではありません。

彼の早期復帰と活躍を願います。

(個人的にはイチロー選手を使い続けた原監督の胃袋も心配です。)

2008年12月12日 (金)

サイクルコンピュータ

最近、友人のゆうさんからサイクルコンピュータを頂いたので、自転車に装着して使い始めました。

前輪のスポークに小さな部品を取り付け、その部品が通過する高さのフレームにセンサーを取り付けます。すると、センサーからサイクルコンピュータにタイヤの回転が送信されます。コンピュータは、使い始めるときに設定したタイヤの径に基づいて、走行距離、スピードなどを計算してくれると言う代物です。

スポークに装着した部品がセンサーの横を通るとき、センサーと部品の距離が5mm以内ではないといけないと説明書には書いてあります。最初、5mm以内になるように取り付けるなんて大変だなぁ、としり込みしていました。しかし、いざやってみると以外に簡単に装着できました。所要時間は小一時間程度でしょうか。

最高速度や平均速度、走行距離、積算距離などが表示されます。特に積算距離がわかるのは嬉しいし楽しいです。

つけてわかったこと。

1)ちず丸距離計測や、キョリ測で測定した走行距離は結構正しい。

2)走行中に現在の速度が表示されるが、これにこだわると危ない。(スピードが出ているときに限ってみたくなる。)

3)僕の自転車通勤日数は月平均5-6日しかない。(月に100~120キロ程度しか走っていない。)

最後の3)はちょっと意外で寂しい感じでした。正直言って、毎月200キロくらい走っているかと思っていました。でも仕方ないですね。現実ですから。来年は1年間で1500キロ以上は走りたいです。

ゆうさん ありがとうございました。

 

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2008年8月22日 (金)

特定保健用食品(トクホ)広告の進歩

昨年6月に特定保健用食品についてちょっと書きました(トクホ、特定保健用食品1トクホ、特定保健用食品2)。当時、トクホの広告は「特定保健用食品です」「こういう人に効果が期待できます」みたいな事がうたってあるのみでした。少なくとも、僕がインターネットで調べた範囲で、当時、実際にその根拠となる資料が示されている商品は一つもありませんでした。一方では、特定保健用食品の認可を受けるためには相当客観的なデータが必要とされているとの事でした。ある会社の方に聞いたところでは、消費者がトクホ食品に過大な期待を抱き、誤った使用方法を招かない様にするため 、広告の内容が規制されているということでした。


その話を聞いたとき、「情報を開示しないことによって適正な使用を期待する」って言うのはなんとも変な話だなぁ、と感じました。でも、それがルールなら仕方ないな、とあきらめていたのですが、最近トクホの広告が変わってきたようです。規制が緩やかになってきたのでしょうか。


たとえば、サントリー黒烏龍茶の広告では、黒烏龍茶を飲むと食後の中性脂肪の上昇が20%抑えられる、と言うようなことがグラフで表示されています。以前はこのような具体的数字を提示した広告はありませんでした。こういった数字は説得力があるように見えるだけに、評価は慎重にしなくてはいけません。どのような方法でデータを出したのかが問題です。


医学生物学的データは、誤差が非常に大きいのが通常ですから、結果を平均値だけ比較して「差があります」と言われてもにわかに信じ難いのが正直なところです。


僕はその広告を電車の中で見たのですが、そこには20人の被験者から得られたデータだと言うこと以外、詳しいことは何も示されていませんでした。


サントリーのホームページをみてみると、黒烏龍茶を飲んで食後の中性脂肪の上昇を抑えたグラフ、黒烏龍茶を飲んで便中の脂肪分排泄量が増えたことを示したグラフがしめされ、それぞれのグラフの元となる論文が提示されていました。引用文献が示される事により、少なくともその論文と同程度にまで向上します。


学術論文は、通常、その論文の著者たちとは利害関係のない複数の専門家によって研究の方法、データの妥当性が評価されます。そして、その結果に基づき編集者が論文掲載の可否を決定します。そうして世に出たデータと、どこから出てきたのかわからないデータでは信頼性はまったく異なります。


何度も書きますが、1年程前にはこのような広告は皆無でした。これは大きな進歩だと思います。


今週の僕の体重は75.1Kg。先週から100g増。進歩ないですねぇ。

2008年8月16日 (土)

素人的自転車通勤事始

今週の体重は、67.0kg。先週からマイナス500g。 まぁまぁ、と言うところですが、もうちょっと減って欲しかったところです。火曜日、水曜日、木曜日と3日間、自宅から職場まで、片道40分くらいかけて自転車通勤したので。やっぱり運動でダイエットするのは大変です。
 
これまでも駅から職場までは自転車で通勤するようにしていました。一番の目的は健康維持です。片道15分から20分くらいで、ダイエットに効果があるほどの運動量ではありませんが、筋力がつくのは自覚できました。脚力がついてくると欲が出てくるもので、今まで新しい事をやる気が起きてきます。


自転車通勤開始後、約1年程して始めた事は、通称「地獄坂」と呼ばれる急坂を自転車で登ることでした。最初はギアを一番軽くしても登り切れませんでした。数週間後には登れるようになり、昨年はギアを少し重くしてスピードを出して登れるようになりました。


そして今回、新たなチャレンジとして、自宅から職場までの自転車通勤にチャレンジしてみた、というわけです。


この暑い季節にこんな事を始めなくても、、、という気もしますが、ネットで自転車通勤の距離を調べてみたのがきっかけです。 使ったのは次の二つのサイトです。

ちず丸距離計測

キョリ測

ちず丸はカーソルを持って行くと自動で道を選択してくれるので楽に経路の設定ができます。道路の右側、左側も選択されるので、スゴく正確そうな気がします。キョリ測は基本的にはクリックした二点間のキョリを加算して行くので、曲がり角の度にクリックする事が必要です。カーブなどでは正確さを増そうと思うと何度もクリックしなくてはなりません。

一方、キョリ測では徒歩、ジョギング、自転車で移動した場合の消費カロリー数が表示されます。坂などは考慮されていないと思いますが、何となく参考にしたくなります。往復で、登りと下りが相殺されると考えれば、平坦路の倍で往復のカロリー数が得られる事になります。ちず丸もカロリー数がでますが、徒歩だけです。 

計測してみると、駅から職場までが約4キロ、自宅から職場までが約10キロでした。二つのサイトで違いは数十メートルと言ったところです。


普段、駅から職場までの自転車通勤が結構いい運動になっていて、7-8キロくらいあるんじゃないか、と思っていたのに、その距離がたった4キロだったのかとちょっと残念な気持ちになりました。また、自宅から職場までの通勤路は平坦路が多いので、10キロくらいなら出来るんじゃないかと感じました。


やってみると、汗はびっしょりになりました。最後の「地獄坂」は息も絶え絶えで、今週は一日中、足が重だるい感じがしていました。でも、これまでの経験から、そのうちそれが楽になってきたりすると快感に変わる事でしょう。加えて、これまでの電車+バス通勤よりも5分ほど早くつきます。


キョリ測で自宅から職場までの自転車の消費カロリー数を見てみると260キロカロリーでした。往復で520キロカロリーです。運動で消費するカロリーとしてまぁこんなものでいいかな。


ぺダリスト宣言!―40歳からの自転車快楽主義 (生活人新書 240) 」によると、1Kmを2000ccのオートマティック車で走行すると500mlのペットボトル250本分のCO2が排出されるのだそうです。往復20Kmの自転車通勤でペットボトル5000本分のCO2排出抑制に相当する事になります。すごいですねぇ。でも、正直言って、そんな事考えていたら息苦しくて続かないと思うので、やっぱりダイエットとか、体力増強とか、そっちの方にモチベーションの源をおく事にします。


当面は週1回でもいいので、自宅から職場まで自転車で通勤する事を下半期の目標にしたいと思います。


最終的には、往復20キロを週3日くらい普通に走れるようになりたいです。

2008年6月 3日 (火)

恵介くんと肝移植

ある日体調が悪くなって病院に行ったら、医師の病状説明は死の宣告に近いものでした。C型肝炎に罹患しており、肝硬変の終末期にある、このままでは残された命はあと1年あまり、、、。

細谷恵介くんは28歳の若さでその状況におかれたそうです。

彼の命を救うためには肝移植しか道はありません。

移植医療を巡っては様々な問題が存在していて、いろいろな立場の意見があると思います。移植医療を受けられる道が大変狭い現状であっても、ルールを守る事が大切だと思います。

日本では肝移植は生体肝移植が主流ですが、恵介くんには生体肝移植を受けるという選択肢はありません。全国で一年に10〜15人しかいない脳死肝移植のドナーが現れるを待つほどの時間的余裕もありません。

そうなると、海外での脳死肝移植が残された選択肢となります。米国などでは5%が外国人枠として認められているとの事ですから、その枠内であればルールに則っているので、ギリギリ許容範囲内と言えると思います。

けれどもその為に6000万円というお金が必要だそうです。この金額は個人がそう簡単に捻出できる金額ではありません。

恵介くんを見て彼の友人達が立ち上がりました。「恵介くんを救う会」は彼の友人である20人近い若者達がその中核を占めます。しかし若い人だけでは様々な問題をクリアするのに難しい事が多かったそうです。年長者の方がその若者達の心意気を感じて代表となって下さいました。

今日、その恵介くんが海外で肝移植を受けるための募金を集う記者会見が、厚生労働省で開かれ出席しました。

 

詳細と募金の方法は「恵介くんを救う会」のホームページ移植支援協会のホームページにゆずります。

http://save-keisuke.com/

http://www.ishokushien.com/

今回、僕がこの記者会見に参加して、一番感動したのは、この若い人たちの気持ちと、その熱い気持ちを受け止めよう、導いて行こうと言う代表の綱島さんの心意気でした。ほかにも地域のお母さん方が活動に参加されているとの事です。

これ程多くの人たちが彼のために立ち上がってくれた、これは恵介くんの人徳を示すものでしょう。そしてこの若い人たちの熱い気持ちが人の命を救ったとき、健康な若者達の間にも、健康や医療へ意識が振り向けられるような流れが生まれる事を望みます。

2007年11月19日 (月)

昔はホントウに良かったのか

なんとなくちょっと強く思ったので、今日は初めてデアル調。

このごろの若者は自己犠牲という事を知らない。

医は仁術。昔の医者は患者のために我が身を削って働いた。

エラい人達は言う、俺たちの頃は、、、。 今の若い奴らは、、、。

報道ステーションのふるたちさんも、自己を犠牲にして献身的に働く医師のニュースを報道し、そんな感じの事を言っていた事があった。世の中一般にもそう感じる人がいるのかもしれない。多分、そこに真実も含まれてはいるだろう。

でも、ホントウにそうだろうか。全てにおいて。

医学が進歩し、医療の形態が変わり、社会が変わり、医療がサービス業の一つとして認識されるようになり、医者患者関係が変わった。それを悪い事とは必ずしも思わない。

ただ、昔は血液検査だって画像検査だってずっと少なかった。今は多くの検査が比較的手軽にできるようになり、診断基準が定まり、XX医師の神の目、神の手でなければ診断できない、なんて病気は少なくなった。

病気になっても治療法が少なかった。誤解を恐れずあえて言えば、多くの病気は寝ている事が治療だった。内視鏡も、カテーテルも、透析や血漿交換も、移植医療なんてのもなかった。技術的には今でも「神の手」は存在するかも知れないが、Evidence Based Medicine (EBM)の流れはそれを求めてはいない。クスリの進歩だって凄まじい。

情報はあふれ、進歩についていくのも大変だ。ただ、昔は勉強する事が少なかったと言う人もいるが、そうは思わない。一昔前の書物を紐解けば一目瞭然。医学の分野にあっても温故知新という言葉を改めて実感させられる。しかし、それはまた別の話。

そしてまた、医者の倫理観が問われる事は少なく、患者側の権利も確立していなかった。だから、EBMなんて事言われずに、これまた誤解を恐れずに言えば、それぞれの医者が好きなように治療していたし、検査や治療に対しての承諾書の数だって今よりずっと少なかった。思いつきに基づく治療もあった。間違いなく。

でも医療訴訟はずっと少なかった。訴訟で医者が負ける事も何故か少なかった。

製薬会社の接待は今よりずっと派手だった。昔の医者が金持ちだったかどうかはよく知らないが、医者が金持ちと言うイメージは昔からあったらしい。火のないところに煙はたたないだろう。少なくとも今の勤務医は、必ずしもそうではない。

聖人君子なんてそうはいない。多くの場合、かつて医者の自己犠牲がホントウだったならば、それはそれだけ見返りがあったからではないか。それを多くの人は「やりがい」と称していたのではないか。

そういった見返りを期待しない医者も沢山いたのだろうと思う。でも、そういった医者だって、「『実質的な見返りを求めるのではなく、患者さんの笑顔がみられればそれでイイ』そう信じて必死で働けば、生活に困ることはない。収入、名誉その他の見返りは自然とついてくる」そう教えられて育ったのではないか。

全国の医学部の現在がどうなっているかは知らないが、少なくとも僕が学生の頃は、医学部の授業に経営や、マネジメントに関する講義なんてなかった。料理学校などでは料理の原価計算やレストラン運営のための経営ノウハウを学ぶ講義がある。医者はそんな事を考えなくても良い。医者も患者もそう信じている。そういう時代だったのではないか。それが「昔」のイメージではないか。

昔は良かった、、、。今の若者から見てもそう思える時代だったのではないか。 でもその理由は、善意と美談にあふれた過去があると信じるからではない。混沌とした理念も理想も見えない医療制度改革とあいまって、医療者として若者が自分の将来を考える時に、やりがいという名の見返りが期待できないからではないか。

時代が変わっても 「患者さんの笑顔がみられればそれだけでイイ」とそう信じて頑張っている人がいるのは事実だろう。でもその美談を全ての医者に強要などできない。

給料だって勤務医と同じかそれ以上稼げる業種はきょうび沢山ある。多くの病院の福利厚生の貧弱さを考えれば生涯所得の格差はさらに広がる。

そんな社会であっても、医者がやりがいを持ちながら仕事をし、患者さんに貢献できるシステムを構築する事はできないものか。そのやりがいの多くの部分は他の仕事でも得られる満足感かもしれない。それで良いじゃないか。

それでも、それでもやっぱり思ってしまう。医者のやりがいの一部は、医療者でなければ経験できない類いの、利他的な快感であって欲しい。僕も古い人間なのか。

2007年10月27日 (土)

まつばらウィメンズクリニック

 妹夫婦が産婦人科を開業する事になりました。 HPは下記です。

  まつばらウィメンズクリニック

 彼らは夫婦で産婦人科医なので、常に少なくともどちらかが一人は病院の対応が出来るという点で心配も少ないと思われます。ふたりの医師としての経験、力量は人間性も含めて信頼に足るものと思います。

 今日は関係者の内覧会です。残念ながら、僕は大学病院の当直で見る事ができないので、先日その新しい病院を見せてもらいました。

 建物は2階建てで、看板がなければ医院とは思わないかもしれません。駐車スペースは20台以上が確保されています。内部は患者さんの導線を最優先にし、ゆったりとしたスペースを取られています。一階が外来、検査中心で、二階が出産入院のための施設です。

 日本式の座敷でのお産も出来るようになっていて、入院施設も原則個室となっていて、広くて充実しています。

 (他と比べた訳ではありませんが)厨房も広くて充実していました。ここでは比較的若い料理長さんが腕を振るう事になっているそうです。健康なママさんが元気な赤ちゃんをhappyに産むために、充実した厨房は大きく貢献する事でしょう。内覧会ではその料理も振る舞われることになっているようです。

 その他、部屋やフロアごとの床や壁の配色、照明など、医院全体のイメージまで含めトータルにプランニングをした良い建物だと思いました。

 あとは彼らがどのようなチームを作り上げるか、そしてどのような医療を展開するか、ですがこれも彼らの人柄をもってすれば自然と結果がついてくるものと思います。

 自分のやりたい医療をイメージしながらそれを実現する方向に向かっている彼らをみて少しうらやましく感じました。 僕も頑張らねば。

2007年9月30日 (日)

理不尽な病気と必然の病気

 日々の生活の中で、病気ほど理不尽なものはないと感じます。単なる風邪ひとつとってもそう思うときがあります。

 でも、一部の病気は日常生活のなかで改善できるにもかかわらず、それをしないがために疾病罹患と増悪を招き医療費が必要となります。

 生活習慣病といわれるものの多くはそういうものでしょう。塩分と高血圧、肥満と高コレステロール血症などはそのような関係にあるものだろうと思います。また、嗜好品による疾病も同様です。具体的には酒やタバコによる健康障害です。

 これらの疾患において、特に「自業自得」とも言えるような生活を送られている方々もなかにはおられます。酒を飲みすぎて肝硬変になり血を吐いて入院してきて、退院したら一時は禁酒するものの、そのうち病院に通わなくなり、また酒を飲んで、しばらくすると血を吐いて救急車でまた入院。しかし断酒のための病院通いはしない、、、。

 一方で、肥満や高コレステロール血症、高血圧などの疾患のコントロールのため、日常生活を厳しく律している方々もおられます。糖尿病のコントロールでも、食生活の厳しい制限が必要になる方がいらっしゃいます。僕などは食べる事が大好きなので、いかに病気のためとはいえ、あまりにキツイ食事療法を強要されるのは人権侵害じゃないか、と反論してしまいそうですが、それをしっかり実践される方もおられるのですから、たいしたものです。

 また、健康を害するようなことは何一つしていないのに、不治の病に罹患してしまう方もおられます。そのような方々には、なぜか、とても良い人や、学ぶべき事の多い人が沢山いるような気がします。

 世の中には色々な人がいますが、最初の例のような人と、他の一生懸命治療しておられる人と、医療費の負担割合が同じなのも何となく理不尽な気持ちを抱いてしまったりします。

 でも、誘惑に勝てなかったり、イヤなものから逃げてしまったりするのも「人間らしさ」だったりするのですよね。

 理不尽な事が多すぎるように思いますが、なかなか全てが理詰めという訳にもいきません。

2007年9月 4日 (火)

水虫がいつの間にか良くなったのはなぜ?

こんな題でスミマセン。でも、最近改めて考えてみたらやっぱりそうなんです。

僕は小学校3年生頃から水虫に悩まされてきました。まぁ、そんなにひどくはなかったので、思い悩んでいたわけではありませんが、いつも頭の中にありましたから、表現上はそうなります。

なり始めた頃は母親も相当神経質になって、水虫用の石けんとかを買って来てくれて、一生懸命足を洗った覚えがあります。しかし結局根治には至りませんでした。

その後、大学時代以降、一人暮らしをするようになって、新しい水虫のクスリがでると聞くたびに購入し、使用してみるのですが、基本的に根治する事はありませんでした。

医者として働き始めてからは、親しい皮膚科の先生に診て頂いた事もありますし、クスリを一定期間自分なりにしっかりと使ったこともあります。一時的に著明な改善が認められる事もありましたが、1−2ヶ月して治療を終了すると再発し、これまた治癒には至りませんでした。

殆ど不治の病とあきらめ、ひどくならないようにだけ気をつけていました。と言っても、足を良く洗うとか、乾燥させるように気をつけるとか、その程度です。今でも職場では通気性の良い履物を履くようにしています。

ところがここ数年治ってしまったのではないか、と思うくらい具合がいいのです。ホントウに直っているのかもしれません。

思い返してみると、きっかけは温泉でした。 2000年の年末ころだと記憶しているのですが、二泊三日の草津温泉に行って帰って来たら、足がつるつるになってたんですね。完治ではなかったのですが、 たった2日の温泉をきっかけにそこまで良くなったのにはびっくりしました。そしてそれは数ヶ月持続しました。

留学前に同じ温泉にもう一度行ってスゴく良かったイメージがあります。 草津温泉のお湯はなめるととっても酸っぱいのですね。この酸性のお湯が水虫には効果大なのだと思います。(科学的にどうかは良く知らないのですが、、、。)

もう一つよかったと思っているのはNYCライフ。ニューヨークの特に冬の室内はとっても乾燥しているのですね。そして室内はセントラルヒーティングでとっ ても温度が高いので冬でも部屋の中ではTシャツ短パンといった格好で全然寒くありません。結果、家の中ではずっと裸足でした。記憶が定かではないのですが、留学当時はまだ治っていな かったと思うので、その乾燥が良かったのかぁ、、、と漠然と考えています。

そして2005年に帰国して2年ちょっとたちますが、水虫再発の徴候は今のところ ありません。

治らないと思ってずっと生活して来たので、未だに治ったと思えないのですが、とりあえずこんなに具合が良いのは草津温泉のおかげかなぁ、と思っています。

2007年6月10日 (日)

トクホ、特定保健用食品2

 一方、このトクホの認定される過程や、そこに含まれている成分、作用機序、臨床試験などが行われているかどうかについて の情報はあまりよく分かりません。インターネットで販売元のホームページを調べてみても、なかなか欲しい情報には行き当たりません。実際には臨床データが あるものでも、ホームページに掲載されている訳ではないようです。薬の様な能書がある訳でもなく、一つ一つの商品について調べるのは至難の業です。

 トクホ製造販売企業による消費者向け広告や情報提供の内容が規制されている事がその理由のようです。特にグラフなどはダメらしいですね。規制の理由は、消費者がトクホ食品に過大な期待を抱き、誤った使用方法を招かない様にするためだそうです。

 しかし一方でテレビ番組のデータ捏造事件などでも明らかな様に、信頼性の低い情報が氾濫している現状があります。そしてその様な情報にかぎって、グラフや数字などを用いて説得力を持たせようとしていたりします。

 正直に言って、厚生省の規制が正しいものかどうか、僕には判断しかねます。
もし、突然規制を外せば混乱が起こるかもしれません。食品によっては命を落とす人が出るかもしれません。サプリメントなどではそれに近い事例を目にする事があります。

 ただ、間違いのない事実は、トクホに関する情報は信頼にたるものが少なく、医者を含め、多くの人たちがそれを望んでいる事だと思います。僕個人としては、誰でも
自由に情報を知る事ができるようになる事を望みます。

 その情報が信頼にたるものであるかどうかは、お上が決めるのではなく、各自が自己責任において決定するのが望まれる形だと思います。

 そして、情報を規制するよりも、情報の評価を自分で出来る様な大人になれるような教育改革をしてもらいたいと思います。

2007年6月 8日 (金)

トクホ、特定保健用食品1

 トクホとは、最近目にする様になった機能性食品です。実際のところ、これらの食品を健康管理に生かそうとしている人は多いのではないでしょうか。僕も使おうかと思ったりします。ちょっと高いですが。

 最近の健康ブームとあいまって、一般のかたがたの食品への関心が高まっている事は間違いないと思います。コレステロールが高かったり、血圧が高かったり、 血糖値が高かったり、と言う人が、日常生活を改善する事で薬の内服量を少しでも減らそうという努力を、多くの方々がされていると思います。

 欧米などでは、「日常生活の厳しい制限は人権を侵す可能性がある」とまで言われてしまう事があるようです。この点で、食事、生活スタイルも含め人生を楽しもうとする欧米とは、随分異なった文化的背景の存在が明らかであると考えております。

 日本人には、真面目、几帳面で、自己を律する気持ちが強い人が多いと言う事でしょうか。

 ちょっと面白いのは、いわゆるサプリメントとは少し違っているように見えるところです。単に足りない栄養素を補う、というよりは(語弊があるかもしれませんが)体質を、生活スタイルによってコントロールしようという意識が見え隠れします。

 その様な文化背景において、トクホのような健康食品が注目されるのは自然の事かもしれません。

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